戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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~前回までのあらすじ~
上杉のくノ一かすが、北条の伝説の忍び風魔小太郎、武田の家政忍猿飛佐助はそろって身体が小さくなる奇病にかかり、奥州の黒脛布の知識を頼って伊達政宗公の元に居留することとなりました。
(などという話は書いていませんがそれはさておきサス→ダテ前提でよろしくお願いします)
奥州に来て数週間、奇病で手のひらサイズになった忍び衆三名は、今日も元気に天井裏を駆け回っております。
忍びとしてせめてもの鍛錬と、元に戻るための情報収集も兼ねているのです。
手練の忍びとは言え今の彼らの身には広大な城の中のこと、三人はそれぞれ動く担当区域を決めていました。
「来たか」
「よっ、お疲れさん~」
「……」
所定の場所に集まって顔を突き合わせ、情報交換です。
金髪のくノ一がきらりと目を光らせました。
「よし、ではまず風魔」
「……」
赤毛が頷いて、スッと紙を差し出します。
『たけのこごはん』
スパン!と軽快な音とともに今日の献立が断ち切られました。
あちゃー、と橙毛がつぶやきます。
赤毛は真っ二つにされた紙の片方を宙でつかみ、さらに裏に走り書きました。
『背が伸びる』
「そりゃ験かつぎだろ」
誰が言ったのか知らないけど。
橙毛は生ぬるく笑いました。
「次。武田」
「はーい。相模と越後に行ってた使者が奥州の端に帰り着いたってさ、早馬が来てたぜ?」
金髪の瞳が輝きます。
「そ、そうか…!」
白い肌にぽうっと薔薇色を浮かべて、「いやそんな文のお返事など期待しては…」ともじもじとのの字を天板に散らす様子に、橙毛は乾いた笑みを浮かべました。
甲斐に残してきた自分の上司もまいぺーすではありましたが、この忍び仲間たちも相当なものです。
「で、かすがの方は何か収穫あったのか?」
「ん?ああ、伊達軍は今日は―――妙な遊びで盛り上がっているな」
「?」
「はあ?遊び?」
「ああ。南蛮の行事で、えーぷりる・ふーるというらしい」
「?」
「えーぷりる…?つまりなに」
「その解釈については連中も延々論じあっていたが…とどのつまりは、嘘をついても笑って許される日であるということだ。無礼講というわけだな」
「……」
「へーえ」
「ただ問題は相手を怒らせるような嘘をついた場合、嘘だとばらす前に問答無用で斬られる恐れがあるという点だ」
「!」
「命がけの遊びだなあ」
「まったくだ」
小さな忍びたちはうんうんと頷きあいました。
さて、夕食時のことです。
赤毛の情報どおりに筍飯はふっくらと炊き上げられ、山菜汁が小さな貝の器につけられて忍び衆の前に並びました。
夕餉の席には奥州筆頭、伊達政宗公も一緒です。
三人だけで放っておくと、城の情報を探られたり鍋に毒を入れられたり―――ではなくて、誰かに踏みつけられてプチッといく恐れが強いのです。
この忍びたちは確かに草の者などと呼ばれる立場にありますが、無事な姿で国に帰してやらなければ、何か妙な恨みを受けそうな気がします。
そういうわけで忍び衆の膳は大概、政宗公のそばに用意されました。
これは政宗公の脇にいるのが一番安全なためでもありますし、多くの食事をこの殿様が自ら作っているためでもあります。
「…美味いか?」
「おいしいよー!」
「……(こっくり)」
「謙信様に作って差し上げたい…!」
じゃあ今度炊き方教えてやるよ、と、切れ長の左目をわずかに細めた笑顔に、悪戯心を起こしたのは橙毛でした。
「…竜の旦那。実はね、俺達が元に戻る方法が見つかりました」
チン、と小さな箸を揃えて置きます。
「ほーう?」
こちらも食べ終えていた政宗公が、脚を崩して肘を突き小首を傾げました。
その膝元にてててっと駆け寄って、橙毛は両手を広げます。
「好きな人にきすして貰えば戻れるって」
「kiss?」
「そー。異国の療法だねきっと」
「Han, なるほど」
「だから竜の旦那、俺にきすしてみてくれない?」
竜の左目が、ぱちくりと瞬きました。
「俺が?」
「そう」
さあ困ってるぞとにっこりと笑う橙毛が、次の瞬間、宙に浮きました。
「え?」
Chu,
目の前が真っ暗になって、軽い音が口元で響きます。
政宗公の鼻先が髪をくすぐって、唇には触れたか触れないかというほどの感触が残りました。
「的が小さいな」
たけのこごはんの匂いがしました。
目の前が明るくなったと思いきや、橙毛の体は政宗公の手のひらの上。
思わずぺたり、としりもちをつきます。
と、政宗公は耐えかねた様に肩を震わせ、口元に反対の手を当てました。
「プ…クク、ははは!」
どうやら笑っているようです。
「…ええ?」
「ハー…ったく、間抜け面しやがって…」
April foolだろ?
にやりと政宗公は唇を吊り上げました。
「あ、知ってたの…」
「たりめェだろ。もう何年も前に俺が仕入れてきた話だぜ?」
成る程ねえ、と橙毛は頷くほかありません。
ちなみに今日の政宗公は朝から藤五郎に『梵!敵襲だぞー!!』と起こされ、鬼庭には『今日は厄除けのためにこちらの御衣裳をお召しください』と妙な異国の服を渡されたそうです。
小十郎にいたっては大真面目な顔で、
『申し訳ございません政宗様、あの他国の忍び連中をうっかり畑のどこかに埋めてしまいました』
などと言い出す始末です。
政宗が慌てて『掘り返せ!』と命じてやっと、『えーぷりる・ふーるにございます』と顰めつらしく答えたものです。
これなど政宗が平気な顔をしていたら、後で本当に埋めてしまう気だったに違いありません。
「へー…大変だったんだね」
「おう。お前の嘘なんて可愛いもんだろ?」
橙毛を畳に下ろして、政宗公はくすくすと笑いました。
「まあでもkissで戻るってのは異国語りじゃ定石だ。かすがにしてもらったらどうだ」
「口が腐る」
心底嫌そうな金髪の声が、間髪入れずに響きます。
「Haha, 残念だったな」
そう言って政宗公は立ち上がりました。
「茶を用意させる。離れるなよ?」
「ああ」
「……(こっくり)」
「はーい…」
橙毛はひらひらと手を振ると、自分の膳の前にぽすっと座りなおしました。
「……」
「……」
「……」
「…ねえ、かすがー」
「なんだ」
「ひょっとしてあれ、俺の好きな人が竜の旦那ってとこまで嘘だと思われた?」
「だろうな」
「本当ですか」
「本当だ」
金髪はそう答えて、『ということは、謙信様の接吻でも元には戻れぬのか…いえそんな、かすがはそのような大それた望みは…!』という考えに耽りました。
赤毛はおひつの縁によじ登って、二杯目のたけのこごはんをよそっていました。
誰か嘘だと言ってくれ。
橙毛の声が、西暦でいう四月一日の夜に、侘びしく響きましたとさ。
