戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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※幸村(27)佐助(3)政宗(10)でお送りする最果て様より受信したはずが暴走の一途を辿る例のぴぷーシリーズです。今回ちょっと長いです。
ウェイトレスが紅茶のカップとココアのカップを運んでいく。
――肌寒い時期になったものだ。
そう考えながら幸村はメニューを開いた。苺の紅が否応なく目をひく。この店の苺パフェは苺のアイスが入って、旬でなくても侮れない味をしている。アイスは苺のワッフルにもついてくるが、正道はやはりパフェか。耐え難い誘惑を断ち切るように、幸村はメニューを閉じた。
肌寒い季節になりつつあるのは承知の上、幸村はスーツの長袖に守られた己の腹を信じることにしている。
「あ?早えな真田、今日もイチゴか」
ライオンめいた銀髪を揺らして、向かいの席の長曾我部元親が顔を上げた。こちらは厚着に耐えられぬのか、上着もすでに脱いでいる。紫地のネクタイは何を模しているのかも分からない奇妙な柄に埋め尽くされて、何のために締めているのか不明なほどだ。少なくとも真っ当なサラリーマンに見せるためでないことだけは確かだった。
「そういう長曾我部殿は今日も抹茶にござろう」
「いや、たまにはよぉ…たまには…」
ぺらぺらと頁をめくり、眼帯に覆われた左目を押さえて、「あーうー、」とうなり声をあげて。
「――だめだ!抹茶ソフトが目について離れやしねえ!」
この色が、この形がだな!?
と吠える銀髪ライオンをおいて、幸村はその隣の――これも銀髪の、痩せた男に顔を向ける。
同じような銀色が、元親とは逆に前に集まり、ぴしりとまとめられていた。血色の悪い顔。メニューを仇のように睨む、鋭い両目。
幸村と同じく折り目正しい様で――と言うより、幾分か神経質なまでにきっちりと、ダークグレーのスーツを着込んでいる。勤め先のことまではまだ聞いていないが、新入社員で通る雰囲気だ。幸村より二つ三つ下といったところか。
「石田殿、如何にござろう」
ギロリと音が聞こえそうな眼の動きで、メニューから幸村に視線を移す。
「……私の前に、そこの童は何にするか決めたのか」
そこの童、とは幸村の隣の小さなオレンジ赤毛のことでろう。
鋭い眼光に臆した様子もなく、ぱっちりと開いた両目で斜向かいの銀色を見上げている。
猿飛佐助、三歳。
「おれさま、ぎゅうにゅう」
「そうか」
前世でその赤毛の持ち主にどんな印象を抱いていたのか、青年は決まっているならばよしとばかりにうなずいた。
そしてクッと目を閉じる。
「秀吉様……モンブランをプレートセットにする許可を私に……!」
「おい石田さんよ、奢るのは俺だぜ」
元親がそうであったように、幸村がそうであるように、石田三成は変わらず石田三成でいるようだった。
「しかしよぉ、こうして雁首そろってみるとこりゃ、西軍会談だな」
元親が笑うのにギロリとまた目を移し、西軍の総大将であった石田三成は。
「貴様が毛利を討って半壊させた西軍だな」
ざっくりと傷をえぐるようなことを言う。
元親の顔は笑顔のまま青さを隠せぬようだ。
「い、石田殿それは!」
「私は西軍など立ち上げるつもりはなかった」
メニューをテーブルに伏せ、三成はまっすぐ前を見る。
「私はただ家康と対峙したかった。凶王軍ではなく覇王軍を取り戻したかった。――いや、取り戻したいのではなく、失われてなどいないとしがみついていた」
秋の光がさしこむ席で、凶王と呼ばれた男の顔は穏やかだ。
「私の望みのために西軍は集められたのだろう。そのために刑部が立ち回り、毛利が国益のためそれを利用して、長曾我部は騙された。毛利は失敗した。それだけだ。……責任は私にある」
すまなかったな。
と、最後の言葉は元親の方を向いて。
「そして刑部が倒れ私の討たれた後、大阪城と頭無き衆を守ったのは貴様だと聞いている。礼を言おう、真田幸村」
目を見て言われ、幸村は思わず姿勢を正した。
「いや、そのように言っていただくほどのことは――」
「っつーかお前、熱でもあるのか?」
「きょーおーさん、かぜ?」
「熱など無い。ただ私は今――」
失礼いたします、と盆を抱えたウェイトレスがテーブルの横に立つ。
苺パフェ、抹茶パフェ、モンブランAプレート、ミルクSサイズ、取り皿でございます。ご注文は以上でお揃いでしょうか?
以前から幸村と元親が来ているせいで、スポーツマン並のスーツ姿がパフェを囲む姿に最早慣れた様子である。
中でも一番痩せぎすな三成の前にケーキプレートを置いて、笑顔を崩さない。
バニラクリームが線を描く四角いプレートにハーフサイズのスイートポテト、小さく丸い抹茶アイスとミルクアイスが寄り添って、モンブランは金色だ。柔らかな金色のマロンクリームに黄金の栗。昨今は自然な栗色のモンブランをよく見るが、この店のモンブランは昔懐かしい色をしている。
その金色を、銀色は睨む。
「今はただ……」
前髪の影でギラギラと紅く光り出す双眸。
「家康……家康ぅ……ぃいええや」「わー待て待て叫ぶな!」「元親殿も叫んでござる!」「おさわがせしますー」
よってたかって止められて、三成はすとんと怒気を納めた。
――そんなに憎いなら、なぜ金色を選ぶのか。
思ってから、幸村は(だからこそ、か)と心中つぶやく。
元親が緑の兜を目で探すのと同じく。自分が紅い旗印を求めるのと同じく。
「ま、とにかく食えよ。溶けちまうぜ?」
「……うむ」
「ではそれがしも、頂戴いたす」
佐助の分を取り皿に少し。苺のソースのかかった生クリームの横に、亜麻色のマロンクリーム、抹茶に染まっていない部分のワッフルが当然のように集まった。
「いただきまーす」
のんきな声を合図にそれぞれにスプーンをもって、クリームを切り崩しにかかる。
――上手い。
――五臓六腑に染み渡る。
――ここが楽園か。
「苺のじゃむが得も言われぬ。旬が楽しみでならぬでござる」
「コーンフレークが底上げだってのは言いがかりだな。ウエハース以上の箸休めだぜ。これで口直ししたら何杯でもパフェが食える気がしやがる」
「秀吉様……秀吉様と半兵衛様にこの店のスイートポテトをお届けする許可を……!」
「だんな、おれさま、ごちそうさま。あそびにいっていい?」
「もう少し待て、佐助」
金色が少なくなるとともに、あるいは糖分メーターが満タンになるとともに、三成の表情もまた落ち着きはじめた。西軍の将だったあのころよりは心身ともに年齢も重ねているだろう。昔は折れそうな姿の後ろに、病と呪いに毒されながらそれを動力にしたような男が控えていた。三成の後ろにいるときだけは、毒するのでなく、支えるかに見えた。
「石田殿、その、大谷殿は――」
大谷吉継。その名前に、三成の手がぴたりと止まる。
「……見つかっていない」
声は毅然としている。だが、意図せぬ無念さに溢れているようだった。
「刑部は、私より先に輪廻に入ったものとばかり――だが、秀吉様と半兵衛様の捜査網にもかからぬとは……!」
それは、と言い掛けて幸村はハテなと口ごもる。
「ひ――いや、豊臣殿と竹中殿も?」
生まれ変わってござるか?
「当然だ」
「HT商会って会社立ち上げてるぜあの二人。こいつもそこに勤めてる」
こっくりとうなずく三成をスプーンで指して、元親は軽く「悪い、言い忘れてた」とつけくわえた。
「長曾我部……貴様秀吉様と半兵衛様の新たなる業績を言い忘れて……!?」
「悪かったな!凡愚だから色々後先になるんだよ!」
――なるほど、それで。
このように石田殿が概ね落ち着いておられるのだな。
そう納得しつつ、幸村は「ううむ」と腕を組んだ。そして。
「何というか……見つかるときはいっぺんに見つかるものでござるなあ」
そう言ってから、はたと自分の『失言』に気づく。
「いや、その、芋づる式にと言うか」
「いもづる」
隣のオレンジ赤毛が長ズボンに包まれた足をてふてふと揺らしながら、言い添えた。
「つまりよぉ、ほれ、こいつを見ろよ」
そのあどけなくも意図不明な様子を指さして、元親はカラリと笑う。
「三歳だぜ、三歳!前は真田より年上だったろ?なのにこんなに縮んぢまって」
だから、と続けかけた言葉を断ち切るように。
「貴様と」
三成は佐助を見つめた。
「貴様と真田はどちらが先に倒れたんだんだ」
澄んだ眼差しだった。戦の世と変わらぬ眼だ。そう真田は思った。それに気をとられて、三成の言葉の意味するところを咄嗟に捉えそこなった。
――猿飛佐助とその主は、どちらが先に死んだのか、と。それはつまり、その死に様は如何様だったのか、主を守れたのか、そんな問いにも通じてくる。
そう問いかけるには相手は幼すぎる姿ではないか。そんな気後れは三成に限って存在しないようだった。彼はおそらく、真田の忍びに己の盟友を重ね合わせたのだろう。
――だが、それを佐助に答えさせていいのか?
三成にではなく、幸村は自分に問いかけた。
みっつの歳の幼子の眼は、透明な鳶茶色をしている。透明なのに、ガラス玉のようでまるで考えが読めない。いつもの、戦の世と変わらぬ猿飛佐助の眼差しだった。だがその目の奥に、どれほどの記憶と自覚を持っているのか、幸村には測れない。
――答えなくともよいのだと、言うより早く。
人形のように小さなひとさし指が、口の前をゆるりと通せんぼにする。
「それはナイショ」
忍びのままの言葉で、佐助はそう言った。作り笑いでも浮かべていれば、あの頃のままだったろう。
三成は一瞬、眉を寄せ、だがすぐにそれを解く。
「主の前だ、秘匿を許そう。――いや、」
首をふり、息を吐いて。
「秘匿せざるを得ない問いをした。許せ」
澄んだ眼で忍びをまっすぐに見る。銀の光が眩しく、幸村の目を細めさせた。
『裏切りは許さない、秘匿は許さない、怠惰は許さない、秀吉様を忘却せんとする、この世のすべてを許さない――!』
あの頑なさと裏腹に存在した純粋さと、人間的な熱は――この平和な世にあって育まれたのか。それとも自分が、初めて目にしただけなのか。
元親が感無量とばかりの笑みで、その銀色をわしゃっとつかんだ。
「いいってことよ!石田三成!」
「なぜ貴様が許可を出す…!」
それを細い腕で押しのけて、不意にジロリ、と三成は元親を睨む。
そこに苛立ちはあっても、憎悪はない。
――これなら、叶うかもしれない。
おそらくは元親も、そんな期待を抱いているだろう。
三成の望み、そしてもう一人の願い。
『見つかるときは一時に』
――あれは失言だった。
『彼』が見つかっているとは、まだ知らせる期ではなかったのだ。
遡ること二週間前、幸村に秘密事を打ち明けた、小さな竜の囁き声。
『西海の鬼が石田のヤロウを見つけたらしいが…』
あんたには先に話しておきたい、と。
『家康のいばしょはおれが知ってる』
だが、かんたんに会わせる気はねえ。特に石田三成にはな。
まずはやつがどんなGuyになったか、様子を見させてもらうぜ!
ビシリと言い切って細い腕を組んだ伊達政宗、こちらはガイと言うよりキッドと呼ぶべき幼さだ。
――だが、幼いからと馬鹿にはできない。
幸村よりずっと長い、戦の『後』の記憶を持っている少年。
――佐助が、自分の最期を隠したのは、すぐそばにいるあの方のためだ。
三成と元親のすぐ後ろ――ココアと檸檬ティが運ばれていった席に、独眼竜は陣取っている。
どうやら予定通りに、もう一人も。
(お許しくだされ、石田殿)
――その激しい執着が、金色の照日を壊すためのものでないのなら、きっと政宗殿も徳川殿と会わせてくださるはず。
(嗚呼、それにしても)
隠し事は不得手にござる!
苛立つ三成になだめる元親、二人を前に幸村はきゅっと唇を結び、背中に汗をかく。
その隣では橙赤毛がてふてふと、隠し事をしているという意識さえなさそうな顔で、呑気に脚を揺らしていた。
つづく
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(あまりに明後日の方いっててもう最果ての名前出さないでいいよって言われたんですが、西軍甘味同盟は最果ての方で政宗・かすが・元就が甘味同盟なネタのリスペクトです)
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