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戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。


妄想が(M)延々と(E)洩れておりますな(M)お館さヴァア(O)!!!



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04.07.Tue  
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台風は南でそれると聞いたのに、放課後の政宗を待っていたのはサラサラと昼から止まぬ雨だった。
「Shit,傘なんざ持ってきてねえぞ」
舌打ちしてランドセルを背負い直す。
――今日はguestをむかえる予定だというのに、ついてない。
同級生たちが傘をさしながら、あるいはつやつやのランドセルを傘代わりに走っていくのを眺めながら、政宗は下駄箱の上の時計を見やった。
うかうかしていると、昼休みに入った小十郎が政宗の家に電話して誰も帰っていないことに気づいた上傘を携えて迎えに来てしまうかも知れない。
前世で子供時代から少年に仕える家臣だった片倉小十郎は、現世でもまったく同じ気でいることがままあった。お前いまはただのお隣さんだろと言ってみても聞く耳を持たない。この小十郎、昔も貴方様と血の繋がらぬ身分の違う神職の子でした。政宗様に忠誠を誓ったがゆえに、ただそれゆえに小十郎は政宗様の右目なのです。分かったから進路希望の紙に『右目』とか書くなよ?職員室に呼び出されるぞ?ご安心ください政宗様、自宅から通える大学を偏差値順に並べておきました。いや、それもどうなんだ。
小十郎の石頭ぶりを思い出すうちに人影はまた減っている。残った低学年の女子も母親が迎えに来たようだ。校門に立つ先生が声をかけ名簿で確認している。不審者が通らぬように注意しているのだろう。ちなみに小十郎はすでに顔パスである。卒業生であり、しかも相当に優秀な卒業生であり、酷く頻繁にやってくる卒業生なのである。
『主君を持つ者の忠義心は時として、主君ではなく自身を支える柱にござりまする』
それを捨てよと簡単に言われては、骨を捨てよと命じられるも同然。どうかお忘れなきよう――。
そう穏やかに笑った男は、前世に主君を持つ身だった。自ら主君でもある身だった。
やつの主は――お館様と慕われる武田信玄公は確かに、やつにそれを捨てよとは言わないのだろう。ただ、己を越えていけと、そう説くのやもしれない。
いずれにせよその言葉は、政宗には知り得ぬ下の立場の者を、深く思い量るようだった。
他ならぬその男、ザ・ライバルの真田幸村の言葉であれば、政宗も負けてはいられない。勝ち負けのモンダイではないにせよ、負けられない。小十郎のことはおれが負うべきセキニンなのだ。とりあえず、この程度の小雨で迎えに来るようであればビシッと言ってやらねば。
やれやれだぜ、と高校の学ランを着た家臣を思いやり、サラリーマン然としたスーツ姿のライバルに闘志を燃やして、政宗は背負ったランドセルを傘代わりに頭に掲げた。
と、校門に向けた左目を、ぱちくりと瞬かせる。
――緑の照る照る坊主がいた。
ふっくりと頭を大きく見せるフードに袖のないポンチョ型の合羽。
教諭に呼び止められて、頭を傾げている。
――きっといつもの鳶色の、ガラス玉のような、考えの読めぬ眼で、大人を見上げているのだろう。
何かしゃべっているようだが、雨っ距離にさえぎられて声は届かない。
元より不審者であるはずもなし、すぐに校庭から政宗の方を目指して歩き始めた。
――雨でよかった。
いつもならサッカーボールが飛び交い大きな児童が駆け回るコートには、いまは人っ子ひとりいない。
ちゃぷちゃぷと長靴で歩み寄る照る照る坊主と、まっすぐに駆け寄る政宗しかいない。
近づいて見れば、照る照る坊主のポンチョ型雨合羽は迷彩の緑まだら。小さな長靴も迷彩緑。フードの影にのぞいた髪だけが、赤みがかって鮮やかなオレンジ色だ。
「よう、たけだの忍び」
武田の忍び。武田信玄の軍の、真田幸村の忍び。政宗はそんな風に覚えている。だからそう呼ぶ。あるいは、目の前の姿を端的に表して、ちび助と呼ぶ。
忍びの名を、佐助。
――猿飛佐助。
「まさむね」
しかし目の前の幼子は、政宗のことを柔らかくそう呼ぶ。前世では主に、独眼竜、竜の旦那と、そう呼んでいたはずで、政宗は時折――このちび助はひょっとして、何も覚えていないのではないか、と思うことがある。
――表情がなくても、嘘くさい笑顔を浮かべていても、変わらず考えの読めぬ明るい色の眼。
けれど、なんとなくどことなく、今その顔は不満げだ。
「まさむね、かさ」
おれさま、おつかい。
ポンチョの下から小さな手が、青い折りたたみ傘を差し出した。
「Oh,」
不満げな顔色に舌足らずな言葉をつなぎ合わせれば、すなわち『せっかく俺様が傘持って迎えにきたってのに、何であんたは雨の中出てきちゃってるわけ?まったくもう』となる。ついでに肩をすくめてため息なぞついて見せたいところだろう。
――我ながらよく分かっている。予想がつく。
作り物めいた男の仕草も言葉も。
「かぜ、だめ。ね?」
――そして、結局その真意が、幼子の言葉と大差ないことも。
「Thanks,たけだの忍び」
心のままにニイと笑えば、小さな口がむにむにと動いた。意図は分からない。ただ、機嫌がなおったことは何となく、政宗にも分かった。
掲げたランドセルを背負いなおして、青い傘をさす。
さして、周りを見回す。
今日政宗の家に来るはずの客人は二人。もう一人もいないはずがない。『はじめてのおつかい』にはカメラマンが必要不可欠だ。少なくとも政宗の時は小十郎がついてきていたようだった。佐助の両親は尾行が特技にござる、と聞いたからそちらかもしれないが――。
「まさむね」
くいくいとシャツの裾を引かれて下を向けば、迷彩ポンチョを持ち上げてちんまりとのぞいた手が、校門の方を指さしている。
門柱の影に覗くいがぐり頭の茶色、先生に頭を下げているらしい長身の影。
(やっぱいるのな)
得たりと心中うなずいて、政宗はシャツのすそをつかむ小さな手をとった。
雨の中をてくてく歩いてきた幼子の小さな手。柔らかくて冷えている。つかむ力は加減を知らぬのか、驚くほど強い。見上げる鳶茶の目は、見れば見るほどただただ透き通って何も語らぬようだ。同じ色を見たことがある気がした。昔々、同じ雨の中、ひとつきりの傘の中。
「帰るか」
「かえる」
小さな長靴もご丁寧に緑の迷彩。ゆっくり歩く政宗の隣でちゃぷちゃぷと水たまりを踏んでいく。
――ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん。
雨の歌にしては楽しげなメロディを鼻歌にすれば、下から続けて「らんらんらん」と帰ってきた。
小器用そうな男のイメージとは裏腹に――音程がとれていない。
「お前、オンチだったんだなあ」
「……!」
何気なくつぶやくと、フードの頭が『衝撃!』とばかりに政宗を見上げる。まんまるの眼と、半開きの小さな口と。
思わずククッと笑って、政宗は「Ah,気にするな」と続けた。
「おれ、あんたの声好きだったし。なんでもいいから歌ってろよ」
Shing a Song!
ニイと唇をつりあげる政宗に、佐助はむー…とかすかに眉よせて、それでも口を開いた。
すずめがね
おにわをこちょこちょかくれんぼ
どんなにじょーずにかくれても
きいろいしっぽがみえてるの
「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん」
――おい、それ、違う歌だろ。
しかも歌詞が微妙に間違っている。
(まったく、忍びのくせに)
忍びのくせに!
笑いがこみあげてきて、しかし政宗は、今度はそれを口にしなかった。
かわりにしゃがみこんで、フードの影のほっぺたを、両手でわしわしとなでまわした。
冷たくて柔らかい頬は、泥化粧もない白さに、赤い色をすかしている。
「…ぁにするの、まさむね」
「Ah,『たいへんよくできました』ってやつだ」
そう笑えば、佐助はけげんそうな顔のまま、それでもこっくりとうなずいた。
「できました」
「Get it!」
そうしてまた手をつなぎなおす。


間違った歌を歌いながら長靴の速さに合わせて歩く、小さなふたりは、校門で先生に不審者扱いされながらひたすら頭を下げている真田幸村に、まだ気づいていなかった。



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モイちゃんバピバ+最果てにひび8周年おめでとう!
(それぞれ11日と二週間遅れですが!が!)
よっちりよっちりピプーでおなじみ(多分)の当シリーズ、原案本家本元の最果て掲示板にサナダテ動物園デート編が掲載されてます!見るなら今だ!あ、もう見ました?

そしてオマケです↓↓↓

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真田忍隊長猿飛佐助、はじめてのおつかい。
――に至る経緯は省かせていただきたい。
ともあれ真田幸村は、幼くして気配にさとい三歳児のあとをつけるように、雨の中、伊達政宗の通う小学校までたどり着いた。
形だけでもと電柱に隠れていたものだから、小学校の先生には思い切り不審者扱いされてしまった。
その、それがしは今の緑の合羽の童の保護者でして、いや確かに名字は違うのでござるが、本日は伊達政宗殿を迎えに……はい、四年生の、……く、くらす?生年月日?いやそれは、八月……いや九月……?
元より不審ではあるが悪人にも見えていなかったのだろう。のんびりと歩いてきた政宗と佐助が『またせたな、真田幸村』『だんなー』と手を振るに至ってやっと解放された。ハタと気づいてスーツのポケットから名刺を取り出す。今日は半ドンだったのだ。最初からこうしておけばよかった。政宗が「あんた仕事してたのか真田幸村」と追い打ちをかけたが、真田よりやや年上に見える男の先生は納得したようで「失礼しました」と笑顔を見せてくれた。
その後も真田に背負われるより政宗と手をつないで歩く方がいいらしい佐助の歩調に合わせ、秋雨の中をテクテクと歩くこと15分。
政宗の家は、庭に金木犀を隠しているのか、甘い匂いがした。
――家に入ってなお、甘い匂いがした。
「お邪魔いたす」
「す」
玄関先で佐助の雨合羽を脱がしてやっていると、先に上がった政宗がさっさと電気をつけてタオルを持ってきてくれる。
「Welcome」
「かたじけない」
慣れた様子に、いわゆる『鍵っ子』なのであろうか、と推察しつつ、真田の心は甘い匂いにとんでいた。
今日真田が政宗の家に呼ばれた主たる理由は『政宗殿の母上が作った栗の渋皮煮をいただく』というところにある。いつも政宗と遊んでくれるお礼がしたい――そんな少年の両親からすれば栗はオマケなのだろう。
だが恐縮する幸村を落としたのは栗であった。
「あんた本当にSweets好きなんだなあ」
元親もだけどな。
そう言いながら政宗はテーブルの上の電気ポットで煎茶をいれる。自分と佐助には牛乳だ。
「政宗殿もお嫌いでないとよいのでござるが」
純洋風のご家庭なのではと思っていたのが和室に通され、真田の予想はさっそく外れたが、佐助の両親と選んだ洋菓子の詰め合わせに政宗は「Wow!」と嬉しそうに笑った。
オーブントースターがチンと音をたてる。
「Wait a little」
温められて皿に乗ってきたのはパウンドケーキのようだった。
――甘い香りだ。
「皮まで入ってるぞ」
どうやら、生地に本日本命の渋皮煮が落としこまれているらしい。
「頂戴いたす」
「いただきますー」
サクリとフォークをいれて一口に。
――何たる秋の滋味!
思わず目を見開き、バターの香ばしさと和の甘さによる幸せを噛みしめていると、政宗の猫めいた左目がニヤリとたわんだ。
「ほんとに親子みたいだな、あんたたち」
視線を追って隣を見下ろせば、佐助のほっぺたは幸村と同じようにふくらんで、目を真剣に見開いている。
モクモクとよくかんで、飲み込んで。
「うまいか、たけだの忍び」
「あまい」
こっくりとオレンジ赤毛がうなずき揺れる。ひときれの半分ばかりのっていた佐助の皿は、あっという間に空になった。
「おれが作ったんだぜ」
母さんといっしょにだけど。
フフンと得意げに笑う政宗に「それはそれは」と幸村が讃辞を贈らんとしている横で、佐助は立ち上がる。
立ち上がって、政宗の方にトテトテと歩み寄り。
「できましたー」
政宗の頬を両手でなでた。
――何がにござるか。
「Oh,thanks」
しかし政宗には意味が通じているのか、ニンマリとご機嫌に笑っている。
その昔、幸村より年上だったふたりは、ときおり幸村には分からぬ目配せをしていた。
――雨の中、唐傘の内。
破廉恥でござる!と言うには今やふたりは無邪気な子どもだ。
困ったものだ。そんな呟きを、真田は栗でのみこんだ。







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