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戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。


妄想が(M)延々と(E)洩れておりますな(M)お館さヴァア(O)!!!



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04.06.Mon  
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 追記より、お館様の声でお馴染みの殺戮ロボを小太郎が担当するWパロです。←初めての方向けの説明

 前回までの分はカテゴリ:ネタ(Wパロ)からどうぞ~
(最初のシリーズはnovelにまとまってます)


注意事項

※政宗さまが女性

※政宗さまが幸村の母上

※幸村は少年世代

※佐助については聞かない約束










▼▼▼












 政宗と風魔が乗り込むと同時に幸村がアクセルを踏んだ。
 追うように銀の影も走り出す。
 その姿はすで警備員の制服ではなく、長い白い髪の男のようだ。
 両腕から伸びた鎌を引きずりだらりと肩を下げ、幽鬼めいた姿で滑るように追ってくる人形。
「何なんだアイツは、!」
 ガス、と金属を貫く音が車体に響いて、振り向けばボンネットに銀の鎌が突き立てられている。
「ッ歯ァ食いしばれ」
 幸村からハンドルを奪って右にきった。車体全体が歪むような音が響いて、それでも鎌はうねるように食いついたまま離れない。
 パアン!と弾かれたような音で後部の窓が粉々に砕けた。
 砕いたのは風魔の右腕だ。
 そのまま刀が閃いて、紙のように切り離されたボンネットと鎌は道の後ろに落ちていく。
 やったか、とつぶやきバックミラーで確認する幸村に、紅赤毛は頭をふって。
 カタカタと震えながら、カシン、と座席に歩み寄ろうとする銀の欠片をつまみ上げる。
 風魔はそれも遠くへ放り捨てた。
――硬度と形状を自由に変化させ、切り離されても集合的な意志を持つ物体。
 これで終わるはずがない。
「……Shit,厄介なguestだぜ」政宗は夜の道にうずくまる銀の影を遠く睨み、それから、紅赤毛に視線を戻した。
 その、鎧に包まれた右腕を見た。



「…それで、だから、風魔はそれがしたちの味方になったのでござる」
「……、」
 繁みの影で着替えながら、政宗は幸村の言葉に無言で風魔の方を睨む。
 それから、幸村に目を向けた。
「お前は、何で来た」
「は、」
「何しにあの病院まで来たんだ」
 幸村は戸惑ったように、黒い眼で政宗を見上げる。
「追われてたのはお前だろうが。なぜ逃げなかった?それにその人形は演技も上手い。信用するな」
 ベルトをクッと締め上げて、政宗は殺気も隠さず紅赤毛を睨んだ。もの言わぬ人形のように見せて、やつは人の声をも容易く作れるのだ。必要ならば。
「それは、政宗どのの身に危険が」
――それが相手の思うつぼだって言ってんだよ。
「二度は許さねえ」
 そう言い放ち、皮のジャケットを羽織りながら。
 どこかでしたようなやりとりだ、と舌打ちする。
――あいつが同じことを言ったら、おれはフザケるなと噛みついただろう。
 幸村は。
「しかし、それがしは…」
 少年は、ぐ、と両手をにぎりしめて、うつむいた。
「……それがしは、政宗どのを守りたいのでござる……」
 まばたきをした拍子にバタバタ、とふた粒だけこぼれた涙。
 幸村には父親がいない。
――自分だって、母親でいてやった記憶は少ない。
 武田道場や真田の家に預ける時以外は、様々な土地に、国に、旅へと連れて行った。武道以外を鍛えるためだ。
――一緒にいるときは、母親であるより、父親代わりになろうとした。
 今だって、母親らしくかける言葉などない。
 そんな言い方しなくたっていいじゃない、と、笑ってとりなすべきなのは――おれじゃない。おれじゃないのに。
「……」
 す、と、静かに影が進み出る。
「What?」
 チリ、と空気が戦慄くほどの敵意が、自分だけのものだと政宗は気づいていた。
 風魔はあくまで静かだ。
――だが。
 さしだされた右腕。
 左は人間そのものも皮膚を見せているのに、右だけを鉄で覆っているのは戦闘用に作られたためだろう。十年前はその腕は、鎖帷子をまとっていた。
「握手でもしたいのか?その腕で」
 皮肉のつもりで笑った顔には、ほとんど憎悪に近い色が浮かんでいただろう。
 今、右腕を覆っているのは、鎧のような籠手。
――覆っているんじゃない。腕をすげ替えたんだ。
 これは、これは――あいつの右腕だ。
 だが、風魔は人間の顔色なぞ知らぬ顔で、その腕に左手をかけた。
 教えられた手順を踏むように、指をかけて、鎧を、開いた。



 雑賀孫市の率いる雑賀衆というキャラバンが、武器を扱っているという。キャラバンと聞くと幸村などはアラビアンナイトの砂漠をいく姿を思い浮かべるが、つまりは旅の商人だと政宗は説明した。
 真昼の、民家の影も少ない畑の間に、ありふれたダークグレーのミニバンを走らせながら。
「武器と一緒に腕利きの傭兵を貸し出したりもするそうだ。普段は海外で手広くやってるらしいが、今回は特別でな。慶次が説得してくれたらしい」
「なんと、慶次どのが!どうりでこのところお見かけせぬと――」
 得たり、とうなずいて、佐助はバックシートを振り返る。
「慶次どのは、政宗どのの昔からのご友人だ」
 うしろの座席には風魔が腕を組んで座っている。
 政宗が見立てた皮ジャンと目深におろした帽子。ゴーグルは外せないのか外さないのか、それでも帽子の影に目立たぬほどに隠されていた。
「それがしが生まれる前から、真田の父上や母上とも長のつきあい、前ぶれなくそれがしをつかまえてタカいタカいなどするやもしれぬが悪気はないのだ、決して攻撃してはならぬぞ?」
「……」
「織田コーポレーションの前田利家の甥だ。知ってるな」
「……」
 頷いた風魔と、運転しながらわずかに顔をしかめた政宗を見比べ、幸村も唇をとがらせる。
――仲間はずれにござる。
 あの右腕を見せられた後、政宗は長い間沈黙していた。
 風魔は何を言おうとも、書こうともせず、政宗が「I see,」と呟くまで、彫像のように立っていた。
 そして風魔は追い払われることなく、幸村が武田の隠れ処に連れて行かれることもなく、こうして政宗と三人、雑賀衆の元に向かっている。
 幸村には喜ばしいことだった。たとえ未だに政宗の風魔に向ける目が冷たくとも。だが――。
――なんとなく、仲間外れにござる!
 鎧の中に何を見たのか、訪ねる幸村に政宗は「そのうちな」と頭をかき回した。
 幸村は知っている。
――政宗どのの「そのうち」は、それがしが大人になったら、という意味なのだ。
 つまりは十年近く先の先。
――それまでずっと、仲間はずれなどと!
 何とか教えてもらわねば、と腕を組んで悩む幸村をよそに、政宗は言葉を続けた。
「慶次と孫市にはお前のことを伝えてある。孫市は用心深いからな、慶次の話し方によっちゃぁいきなり脚ねらってズドン、ってなこともあるかもしれねえが――分かるな?」
 幸村に危害が加わらない限り、攻撃するな。
「政宗どの、」
 しかしそれでは、風魔は身を守ることもできぬ――そう言いかけて、口をつぐむ。『逃げろ』と自分が命じれば、風魔は回避できるはず。心配はいらない。
 そう考えて、幸村は別のことを口にした。
「慶次どのは、雑賀どのに風魔をわるく言うようなおとこではありますまい」
 まあな、と政宗は軽く肩をすくめる。
「だが慶次がこいつに手ひどくやられたことがあるのも事実だ。あいつ自身悪気はなくとも、素直に話せば警戒されて当然だろう?」
「む」
 言われてみれば、慶次も十一年前の風魔に襲われたとか。
 幸村はバックシートの方をのぞき込む。
「そんなに、てひどくしたのか?」
 前田慶次。恋だ愛だと「けいちょうふはく」な戯れ言が多いが、軟弱な輩ではないはず。
 幸村の稽古につきあう時などは勝ったり負けたり、半ばわざと――と言うより、教えたいことがあってそうしているかのような男だ。
 幸村には決して弱いとも思えない。
 風魔はカリカリと、ペンを動かした。
『生命活動に支障のない範囲での破壊』
「……もう少し、かんたんに書いてくれ」
 風魔はしばし動きを止め、また書いた。
『死なないていど』
 幸村が読み上げると、政宗はわずかに――呆れたように、苦笑したようだった。



 死なないていどに風魔にこてんぱんにやられたらしい前田慶次は、政宗と幸村に「ひさしぶり!」と明るく笑った後、紅赤毛に目をやって。
「うわ、本当に連れてきたんだ…」
 と半ば笑みを残したまま、目を見開いた。
 だがそこにはせいぜい、「驚いた」という色しか見えない。
 年は政宗より少し上と聞いていた。いつ見てもとかく若々しい顔つきで、背丈は高く、ポニーテイルに結い上げた髪を揺らす姿は、旅の風来坊という肩書き以外は何も受けつけないだろう。
――しかしやはり、少なくとも、慶次どのは軟弱ではない。
 普段は『男ばっかの茄子のへたみたいなとこ行きたくない』などと言ったりするのに、武器商人と渡りをつけていたとは侮りがたい御仁だ、と幸村は思った。
 隠れ家にしてはこざっぱりした、普通の別荘にしか見えない一部屋。それでもぐるりと見回せば(あの辺りにカメラかセンサーがありそうでござる)と見当がつく。
「孫市には、政宗がオーライって言ったからには大丈夫、って話しといたけどね」
「ああ。風魔のことの責は負う。むしろもう少し、厄介なやつには追われてるんだが…」
「とりあえず会ってきなよ。孫市は奥の部屋。ここは俺が見てるから」
「Thanks」
 みじかく礼を言って、政宗は扉に足を向けた。
 その背中に「いいねえ、世紀の美女対談だ」と茶化すような声援がとぶ。
――びじょ?
「慶次どの」
「ん?」
「孫市どのは、おなごなのでござるか?」
「そうだよ」
 政宗に負けず劣らずの、ばばーん!って感じの美人だよ。
 幸村はその笑顔から、すすすと目をそらした。
「やはり慶次どのは慶次どのでござる…」
「え、何だい?」
「いや、それがし風魔とないしょ話があるので、慶次どのも奥にいっていただきたく」
「内緒話!いいねえ、俺も仲間にいれてくれよ」
 政宗には黙っとくからさ?
 器用にウィンクなどして、慶次は口の前に指をたててみせる。
 幸村は、むむむ、と唸った。
 秘密ってのは、秘密があるとバレた全部バレたも同然なんだ。そんな政宗の言葉を思い出す。
――初手で誤ったか。
 仕方なく幸村は説明した。
 政宗が風魔を信用しなかったこと。
 風魔の腕を、その中を見せられて、矛先を納めたこと。
 幸村には何も教えてくれなかったこと。
「政宗どのが『そのうち』とおっしゃったからには、政宗どのからはなにも聞きだせぬのでござる…」
 ふうん、と慶次はつぶやいて、風魔に目を向けた。
「なるほど、言われてみれば気になるね。その右腕」
「……」
「俺たちにも見せてもらえるのかい?」
「……」
 腕組みしたまま無言の風魔を指さして、慶次は「えーっと、言葉、通じてる?」と幸村を見た。
――言い方が違うのだ。
「風魔、命令だ。それがしと慶次どのに、政宗どのに見せたのとおなじように、右うでの中を見せてくれ」
「……」
 頷きもせず風魔はひざまずいた。
 皮ジャンを脱ぎ、右腕をさしだす。タンクトップからのぞく首から肩も、やはり人間のものでないとは信じられぬような皮膚と筋肉で覆われ――だが、右腕は、義手のように鈍く光る鉄色だ。
 やはり、その腕は鎧に似ていた。鋳鉄で出来た、指先の尖った籠手。
 カシン、とロックを外し、鎧を開く。
「……へえ、」
 と、呟いたのは慶次だった。
 中は絡繰り仕掛けらしく、歯車やチューブや電線が、鉄骨の周りにまとわりついている。
 だが幸村の、おそらくは慶次の目をも引いたのは、扉の役割を果たした鉄の覆い、その裏側の方だ。
「これは…」
「メッセージだね」
 鋼鉄にどうやって彫り込んだのか、三行ほどの言葉。
 署名はただ、『幸村』とされている。
「未来のそれがしから、にござろうか」
「……うん、そうらしい」
 ということは、政宗は、未来のこの幸村の言葉に説得されたのか。
――大したことが書いてあるようには見えないが。
「この右うでは、元より風魔のうでではないのでござろうか?いささか、どういうことなのか――」
「幸村」
 慶次は、なぜだか、優しい顔をしていた。それが泣きそうにも見えて、幸村は口をつぐむ。
「例えば、片倉の兄さんは政宗の右目だろ?右腕っていうのは自分の大事な相棒だったりするもんだ。それを預けるから、信用してくれってことじゃないかな」
 よくわからずに幸村は眉を寄せる。
――この鎧がそれがしの右腕なら、未来のそれがしはロボットではないか。
 慶次は「いいね!」と笑って、幸村の髪をかき回した。
「未来の幸村はきっと優しいやつだ。こういうの、好きだよ、俺」
――ますます分からぬ。
 ただ、風魔もまた何も分からぬままにこのメッセージを託されたのではないか、と幸村は考えた。
 それは誰かへのメッセージと言うより、なぜだか――祈りに似た言葉だと、そう感じた。







『風魔に預ける
 この腕がもう一度
 あなたを守れるように』








   つづく





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