戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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二月中ならセーフということにしています。
というわけで結婚してくださいシリーズのバレンタイン(一年目)書いてみました。
後で書き直すかもしれないけどひとまず載せときます。
◆◆◆◆◆
St.Valentine.
それはloveの日だと教えられた。
友愛であれ、博愛であれ。
――けれど。
「これ、……受け取ってくださいっ」
そう言って政宗に差し出されたのは本日三個目の。
――たぶんまた、チョコレートだ。
正確には手渡されたのが三個目、机や美術のロッカーに入っていたのをあわせれば十個目か。
「Oh,Thank you」
ニイと笑って受けとったはいいが、「や、あの、うけとってくれてありがとうございます…」などと消え入りそうな声で言う少女を政宗は知らない。たぶん知らない。顔にもつむじにも覚えがない。
政宗と同じこの学校のセーラー服の、紺のスカートが膝下に長く見えるのは背丈の差だろうか。政宗もまだ一年だが、どうやら身長は低くはない部類だ。
「背丈は大事だろうな」
教室に戻ればこちらも平均少し上、という背丈のかすがが待っていてくれた。
――背丈の何が大事なのか?
いぶかしげな顔をする政宗に、「女子校のバレンタインなどそんなものだ」
とますますよく分からないことを言う。
放課後の西日に、キラキラと光る金の髪を揺らして、政宗の友人はかぶりをふる。暦の上では春、とは言え空調も切られた教室は冷え込みはじめる時間だ。待たせて悪かったと言いながら、けれど政宗はかすがの向かいに腰をおろした。ついでに包みも開けた。やっぱりチョコレートだ。
「そんなもんか?かすがと成実以外の生徒なんざ見分けつかねえから、おれが忘れてんのかと思ったぜ」
一粒ひらいて口に放り込む。
アメリカ育ちの政宗が知っているバレンタインは、フレンドリーなやつと適当な菓子など交換する日、小十郎やグランパに花束をもらってカードを送る日だ。
もちろん、恋人や夫婦のようなパートナー同士が一番中心であることは分かっている。
「日本じゃ女がチョコを渡すんだってのも、あっちこっちで教えてもらったけどな」
――しかし、顔も知らない他クラスの娘や上級生から机にチョコレートをつっこまれる日ではなかったはずだ。
「日本の十代にとってはそうなんだ。…手渡しなら断ることもできるぞ」
と言うか、相手が本気のようだったら勘違いさせる前に断れ。
そう言いながらかすがも結構な量を贈られているし、愛しの『謙信さま』にきれいな包みを用意していることを政宗は知っていた。買い物につきあったから、中身がブランデーやワインにもあうと評判のチョコレートであることも分かっている。
「…まあそれはそれとして、これは先日の礼だ」
ぶっきらぼうに言ってかすがが取り出したのはやはりチョコレートなのだろう。てのひらサイズの透明なプラスチックの立方体に、色とりどりに包まれたサイコロがつめこまれている。
政宗はニヤリと牙を見せて、笑った。
「Oh,おれは日頃のloveの分だぜ」
こちらはキャンディのつめあわせを用意している。
――今日はじめて、バレンタインらしいことをした。
去年の四月までアメリカで生活していた政宗にしてみれば、日本の女子校――それも箱入りの箱も厳重な娘がいれられる学校だ。いろいろと奇妙に感じるのは、仕方ないことと諦めていた。
郷に入りては郷にしたがえ。
――しかし何やら、根本的に自分の認識が違うのか。
帰る道々、知らない顔に呼び止められる珍事が三回も重なったころには、政宗は眉間のしわにも気づかぬまま歩調を速めつづけていた。知らない制服の女子が一組、男がふたり。
――いくらなんでもどこの誰とも知れぬ輩からは、受け取れるものなどない。
つまりこれは、校内の気質ではなく。
「Goddem,日本人わっかんねー…」
ついつい自分の血筋も忘れそうになる。
舌打ちひとつ、橋を渡ろうとしたその時。
「失礼、お姫さま」
ひときわ軽々しく肩をたたかれ呼びかけられて、声を判じるより早く――今すぐ消えろ。という苛立ちを切れ長の目に浮かべたまま、政宗はふりかえった。
視線に質量があれば、そのまなざしはゴスッと音を立てて相手をなぎ倒したかもしれない。
だが彼女の肩を叩いたその主は「ありゃ」と小さくつぶやいただけで、政宗もすぐに、殺気に満ちた目をただの不機嫌な目にもどす。
「なんだ、あんたか」
「うん」
赤みがかったオレンジの髪。ひょろりと痩せた長身。近隣の男子校の、グレーのブレザーがのぞくジャケット。
「ご機嫌ななめだったかな」
と頬を掻いて笑う男は、政宗の友人だ。一応。
「佐助…」
――猿飛、佐助。
「Hold up」
「え」
「Hold youre hands up!」
手をあげろ、と単語をひとつずつくぎって言えば、きょとんとしていた顔がゆるやかに困り半分の笑みを浮かべた。
そういう予定じゃなかったんだけどなぁ、とごにょごにょ言いながら、あげられた両手。
――その右手に、花束をまとめた金のリボンが、とろりとかかっている。
先刻の誰かが持っていたよりは大きい。
例年小十郎が用意するものほど大きくはない。
グランパのように、クールに薔薇を一輪、というわけでもない。
フリージアの黄色、サンダーソニアのオレンジ、ガーベラの白と濃紅、シダの葉の緑。
――まあ、何と言うか、こいつの髪と雰囲気には似合っている。
けれど政宗は、おさまらないもやもやにため息を落とした。
「えーと…」
「Sorry,あんたのせいじゃねえよ」
下ろせ、と手を振れば、気を悪くした風もなく男は両手を下げる。
橋の欄干に寄りかかって、政宗はその花束をじっと見た。
猿飛佐助はかすがの幼なじみだ。だが、だからと言って紹介されたわけではない。
政宗の従兄でひとつ上の、毛利元就と同じ男子校に通っている。進学クラスの元就とは違う組でも、彼の幼なじみとはつるんで遊ぶ仲だ。だが、それを理由に引き合わされたわけでもない。
偶然、政宗がその名を知って、ふたを開けてみれば縁があった。
という話だ。
そしてこの男、初対面で彼女にプロポーズしている。
――友達だ。とりあえず。
と一言つけずにいられないのは、とりあえずお友達から、と佐助が言ったからだ。
だがそれだけに、この橙頭が今花束をもってここにいることには何の疑問もない。
――問題は。
「Dateに誘われた覚えはねえぞ」
「誘っていいの?」
政宗の言葉に佐助は鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした。
「大げさな話じゃねえ。約束もないのに一方的にくれるだけってのが、なんか、」
落ち着かねえんだ。
そう言って政宗は、目をふせる。
この男がひとりで来るのは珍しい。政宗と会うときはいつも真田か元親辺りが一緒にいて――友達、の範囲でいられるよう気を使っているのかもしれない。あるいは元就あたりに釘を刺されているのだろうか。
政宗にプロポーズした瞬間かすがと元就に蹴飛ばされ、勢いが過ぎて二階の窓から落ちたのはまだ記憶に新しいはずだ。
無意識にとがらせた唇をどう思ったか、猿飛佐助はじっと政宗を見つめていた目を、優しく細めた。
「なら、今から誘わせてよ」
「Ah?」
怪訝に眉よせて見上げる、政宗の左だけの瞳に、へらりと笑う。
「温かいところでお茶でもさ。なんかインドっぽくてチャイとかいうミルクティがおいしいって聞いた店が近いんだ。カレー屋じゃなくて一応昼は喫茶店のはずだよ。あ、情報源は前田の旦那ね。政宗さんが好きそうだからって」
――つらつらとよくまわる口だ。
うっかり感心していると、「じゃ、そういうことで」と佐助は話を締めくくろうとしていた。
政宗は丸くしていた左目を慌ててぱちぱちと瞬かせる。
「Wait,そういうことってどういう」
「デートしよう、政宗さん」
さらりと言われて、一瞬、二の句がつげなくなった。
「待ち合わせはこれから四時半に駅前の時計の下で。いい?」
「あ…ああ」
こくん、とうなずけば、佐助は「よかった」と嬉しそうに笑う。
「それじゃ後でね」
言うが早いかひらひらと手を振って駆け出したオレンジ頭を見送って、政宗は目をしばたかせながらとりあえず携帯で時間を確認した。
「四時半って…」
十分後じゃねえか。
呆然とつぶやく。この橋から駅までは歩いて五分だ。
――かすがと元就がいなくてよかった。
政宗はコンビニのピンクの幟から川面に目を移した。
あのふたりがいたら、いまごろこの二月の冷たい川に、橙頭が浮かんでいたかもしれない。
「ああ、つまり、政宗さんが思うところのバレンタインってのは――」
と言葉をきって、佐助は何故かばつが悪そうに、くしゃりと笑った。
「重くも軽くも、両想いの日なわけだ」
「…Ah?」
紅茶をこくんと飲み干してから、政宗は小首をかしげる。甘いものは足りていたからチャイではなくストレートのニルギリだ。少しもやもやが晴れて橙頭にあれこれ今日のことを話していたら、もやもやは佐助のミルクティに移ってしまったらしい。
「なんて言うか、俺様の知ってる二月十四日は……まだ片想いでもいい日なんだよね」
かたおもい、と政宗はつぶやく。
片想い、と佐助もくりかえす。
「だから、バレンタインのためにあらかじめデートに誘うんじゃなくて、バレンタインで初めてデートに誘えるような気でいたってこと」
佐助の言葉に政宗は、なるほどなぁとうなずいた。合点がいった、と言うより、すでに怒りを忘れていたがゆえの素直さである。
「じゃあ今日誘われて今日Dateってのはいい折衷案だったかもな」
時計の下で花束を渡されて、下げていた鞄は持つよと奪われて、あれよあれよという間にこの店に案内されていた。
――主導権を握られるのは好きではないのだが、なぜだかこちらの希望通りにことが進んだ形になっていたから文句もない。
なにしろデートと先に口にしたのは政宗の方なのだ。
――しかし。
「にしたって、待ち合わせは必要なかったんじゃねえか?」
カップの横のメニューに並ぶ『インド直輸入茶葉』の文字から目線をあげれば、向かいの席で赤みがかったオレンジが揺れる。
「花束渡すタイミングがいるかと思って」
「…そうか」
――あのまま自分が呆れて帰ってしまったらどうする気だったのか。
と本当は訊きたかったが――たぶん、むしろ、逃げる間を与えられたのだろうと。問うより先に気づいてしまった。
強引なようでいつも、政宗が思うよりも一歩ひいた場所に立っている。――そういう男だ。
そしてそんな猿飛佐助のことが、政宗は嫌いではない。
――嫌いではない。それどころか、好意的に思っている。
けれど政宗が佐助のために持つ気持ちと、佐助が政宗に向ける想いとは、その熱も色も同じレベルではないのだろう。
それを佐助も分かっていて、だから――片想いでも許される日に、会いに来たつもりだったのか。
バレンタインはloveの日だと、政宗はそう教えられて育った。
――けれどこの複雑怪奇な状況を、愛の一語でまとめられるものだろうか?
「おれ、Dateはじめてだから、timingとか知らねえけど」
そういうもんなのか。と首をかしげれば男はなぜか照れたように、へにゃりと笑った。
「俺もはじめてなんで、絶対こうでなきゃってわけじゃないけどね」
何とも嬉しげな顔に――まあいいか。と政宗も悩むのを放棄する。
――今はまだ。
今は、ついさっきコンビニで買った板チョコを、どのタイミングで鞄から出すかということの方が、彼女にとって重大な問題なのだった。
◆◆◆◆◆
サスダテ話と言うよりカルチャーショックを受ける伊達さんの話でした。
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