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戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
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妄想が(M)延々と(E)洩れておりますな(M)お館さヴァア(O)!!!



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04.06.Mon  
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 2011年、ご来訪くださった皆様、お声をかけてくださった皆様、ありがとうございました。

 色々と大変な年でしたが、来る年皆様に幸い多からんことをお祈りします。


   +++


 さて大晦日となりましたが、今年のはじめに考えたネタを置いていきます。

 兎年の兎佐助、略してウサスケのネタです。

 伊達さんの出番が少なくて萌えも少ない小話ですが、佐助の耳に兎耳が生えててもいいよと思う方はずずっと下にどうぞ~。






 

 

 十二月三十一日、二十三時五十九分、五十九秒。
 兎の佐助はそこにいた。
 白い長い兎の耳が、赤みがかった橙色の髪の間にひょこんと生えた、痩せた男の姿。
 葉陰緑の装束の、襟に口元をうずめて、寒さに耐えるように手を握って開き、握っては開く。
――この一秒が、真冬の一晩の中で一番長い。
 耳元で風が鳴った。
 星の隙間に光が見えた。
 一月一日、〇時〇分、〇〇秒。
 光の中に、蒼い陣羽織が現れる。
「竜の旦那――」
 会いたかった、会いたかった、会いたかった!
 そう兎が鳴くより早く、蒼い装束の竜はその独眼でニイっと笑い、兎の長い腕をつかむ。
 通り過ぎざま、唇に一瞬柔らかい感触を残して、兎と場所を入れ替えて。
 ふりむけば、もう背中も見えない。
 一月一日、〇時〇分、〇一秒。
 光が指の間を過ぎるより短い、一秒。

 こうして兎年が終わり、辰年が始まる。

 

「お釈迦様のアホオオオ!!」
 その辰年の元日、兎は自棄酒を呑んでいた。
 あまりに毎度の光景なので、鍋を囲む虎も牛も鳥も口を挟まない。蛇と馬と羊は黙々と鍋の具を掬っている。ぐつぐつと温かく出汁の香りを煙らせる、大きな土鍋に見向きもしないのは、自暴自棄で忙しい兎ばかりだ。
「一年間がんばってお仕事して帰ってきたのに!入れ違いで竜の旦那が出張なんてあんまりだろ!?毎回毎回これだよ!!」
「そらぁ、十二支の持ち回りだからなあ」
 一応相槌らしいことを口にするのは、銀毛に紫の眼帯をした牛である。
「一年佐助が出張で次の一年は独眼竜が出張、まあ二年続けて会えないってのは辛いだろうね」
 高く結った髪に風斬羽を挿した鳥も、それらしくうなずいて見せる。
「残りの十年は延々破廉恥三昧で過ごしているではないか」
 紅い鉢巻の虎はざっくりとつぶやいて杯を飲み干した。
「口づけひとつで一年会えないなんてやってらんねえよ…」
 兎はじとりとすわった目のまま、それでも虎の大杯に樽から清酒を注ぐことは忘れない。
 新年明けたばかりの無礼講、とは言え、愚痴を聞いてもらっているという自覚はあるらしい。
「十二支なんて、十二支なんて、年賀状とお年玉袋に絵が入るだけじゃん!」
「他にもいろいろあるだろ。あー、多分」
「うん、多分」
「人間界の慣例など関係あるまい。十二支は十二支だ」
――そもそも何故、十二支の中で兎年と辰年が隣り合わせなのか。
 何故、どう見ても雄同士で種族は違う竜と兎が恋仲なのか。
 独眼竜・伊達政宗はともかく、何故“猿”飛佐助が兎なのか。
 面倒くさいが最初の問いだけはお答えしよう――と、寅年を司る真田幸村は語る。
 ある時お釈迦様が、十二の年を司る動物を選ぼうと仰られた。
 そして、その順番は新年に挨拶に来た順番で決められることとなった。
 一番最初に悠々と歩いてきたのは牛である。
 牛の角がのぞく銀毛と、肩からは紫の衣をなびかせて、その腕には金色の鼠を抱えていた。
『運んでもらってすまんな、元親』
『いいってことよ!俺ぁあそこの観音様の千手カラクリ見てくるから、お前先にお釈迦様に挨拶して時間かせいどいてくれ』
 こうして金色鼠の徳川家康が、十二支の最初を飾ることとなった。
――余談ではあるが、この時鼠がうっかり『三が日』を『三日』と間違って書き送ったがために、十二支に間に合わなかったのが猫である。
 以来猫は、残滅ううう!!と叫びながら鼠を追い掛けまわすのに忙しい。鼠がここにいないのはそういうわけである。
 牛の挨拶が終わり次に来たのは虎の若子、真田幸村だった。
 先代の虎、武田信玄と新年の挨拶という名の殴り合いを交わした上での三着である。
――そして、その後ろからあの二人がやって来たのだ。
 新年早々イチャイチャと手をつなぎ、幸せそうな兎と竜が。
 お釈迦様はその破廉恥な振る舞いに怒られた――などということはなく、単に元からそういう取り決めであったため、寅年の次を兎年、その次を辰年と定められたのであった。もしも計算ずくだとしたら恐れ入る。お釈迦様への尊敬の念も増すというものだ。アホと叫ぶなど正に天につばはく行為である。
 鍋から肉をすくって胡麻ダレに浸しながら、虎は心の中で合掌する。
「ちょっとくらい距離のある期間がある方が恋は燃え上がるさ。だろ?」
 鳥の慶次がそろそろ締めくくりに入っていた。
「……」
「控えよ馬。その春菊、我の領土ぞ」
「おやおや…欲張りな方たちだ……ククク」
 その気配を察知して、馬と羊と蛇が最後の鍋の具を取り合い始める。
「やけ酒もホドホドにしなよ」
「おう、せっかく竜が仕込んでいった鍋だ、そっちを腹に入れるこったな」
 鳥が快活に笑い、牛も酔ったそぶりさえ見せず兎の肩を叩いた。
「竜の旦那が?」
 兎だけが半ば酔ったような目で、目をしばたかせる。
「そうだよ。あんたが疲れて帰ってくるからって、独眼竜が鍋を――」
 ふりむいて、鳥は言葉を止めた。
 鍋の中にも大皿にも、すでに具はない。
(おいお前ら、どういうことだ)
 牛の元親がが右目をむいてパクパクと口を動かす。
(元より兎の愚痴を聞く約束で竜めが作っていったもの、食べつくして何が悪い)
(……)
(そろそろうどんにしましょうか)
 羊の元就が答え、馬の小太郎は寡黙に頷き、蛇の光秀は最後の食材に目を向けている。
 牛の目配せを受けて鳥は兎から目をそらす。
 実は鳥も早い段階で鍋をかっ込んでいたのを、虎は見ていた。
「鍋を下ごしらえして、自棄酒に走った佐助には鍋の後のうどんでも食わせてやってくれ――と仰っていたぞ。独眼竜殿が」
「そう、独眼竜が!」
「そうだったな!」
 はっはっはと笑いあって、鳥と牛が兎の肩をバンバンと力強く叩く。
 橙赤毛の間で、白い長い耳がみょんみょんと揺れた。
「そっかあ…竜の旦那が…」
――何だかんだで一年の仕事の後だ。疲れているのだろう。
 さすがの幸村も哀れみを覚えるほどに茫洋とした様子で、兎の目は鍋のあたりをさ迷っている。
「大丈夫かなあ、竜の旦那、寂しがりやさんだから…」
 兎は寂しいと最悪死ぬらしいけど、竜だってさびしいと泣いちゃうかもしれない。
「そんなこともあるとは思わぬぞ」
 ケケケと笑う独眼竜の顔を思い出しながら、虎はきっぱりと否定した。
――多少の哀れみは覚えるが、この先一年兎の相手をするのは主に虎の自分なのだ。
 毅然とした態度が大切だ。

「政宗殿には同じ竜の片倉殿や配下のものたちがついているのだから、寂しいはずがあるまい。今ごろお前のことなどすっかり忘れてやーはー!と餅つきを始めておられるだろう」

「酷ぇよ真田の旦那!」

 一声、叫んで兎が倒れる。
「ほう。とどめを刺したか」
 羊が冷静に、どこか感心したようにそれを眺めた。
――とどめをさす気などなかった。が、事実兎は前後不覚だ。
 虎は一年前の自分を思い出し、兎の疲労を慮ってふうむとうなった。


「……一年、大儀だったぞ、佐助」


「それ起きてるときに言ってやれよ」
 と、牛が酒をあおる。
「うどんが煮えたら起こしてやろうな」
 鳥が苦笑した。

 十二年に一度の、いつもの光景だった。

 

 

   *了*






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