戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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明日はきっといい日だよ、と自分に言ってあげようと思います…(今日は?)。
追記から、昨日の続きです。
前回までのあらすじ→人間の伊達さんと子狐の小太郎は夏祭りにくりだしました。ちび小太を元親と戯れさせたい衝動に気づきました。
明日は6時半掲載予定です。
紅い丸い、りんご飴も買ってやった。
小太郎は変わらずひとりだけ政宗と手をつないで、ふたりは政宗の見える辺りに紅い頭をのぞかせている。
ひとつずつ持たせたりんご飴を、手をつないだ小太郎が政宗に差し出した。
ひとくちだけ、と分けてもらう。
――つやつや光って、甘酸っぱい。
和紙を貼って作った、ひょっとこの、天狗の、お面が並ぶ前を通り過ぎた。
白地に紅い隈取の、すました狐の面。手をつないだ子狐の紅赤毛でなく、兄狐の柿色頭を思い出して、クスリと笑みがこぼれた。
――狐は冷たく、そっぽを向いた、気がした。
カランコロン、と草履の音。
ざわめきが流れるような中、小太郎の足音もコロコロと鳴る。
ふと前を見ると、りんご飴に似てつやつや紅い頭がふたつ、店の前に並んでしゃがみこんでいた。
政宗の手をにぎるひとりも、そちらへそちらへと向かっている。
「Hey,お目当てはなんだ?」
欲しいものがあったら教えるように、と言い聞かせてあった。
「……」
「……」
「……」
ゆらり、と水に提灯の明かりが揺れる。
その下を、朱と黒が泳いでいる。
「金魚か」
こっくり。
と、みっつの頭がそろってうなずいた。
店の親仁に銅貨を払うと、待っていたように右腕が三本、水を覗き込んで持ち上げられる。
昔本の挿絵で見た、鮭を捕る熊を思い出して、政宗はあわてた。
「Wait,Wait
――!」
待て、の声に、きょとんと傾げられる小さな頭。
「捕ってやるよ。どれがいい?」
半紙を貼った金魚すくいをかまえると、ひとりは大きな朱色をゆびさし、ひとりは朱に斑の入ったのをゆびさし、ひとりは黒をゆびさした。
「Okay-Dokay,まかせとけ」
政宗は笑って金魚を三尾、おまけに小さいのを二尾と、椀にすくいあげる。
ふたつの袋に分けてもらって、持たせてやると、目元の隠れた小太郎の顔がパッと輝いて見えた。
金魚はゆるり、と透明な水を泳ぐ。
食べるなら、山に帰ってからにしろよ
――と、小狐に言おうとした、その時だった。
パン、と何かが弾けるような音。
――火薬の匂い。
隣の露店の前で、どこかの子どもが歓声を上げる。
火薬を叩いて音と匂いを出す、弾もないピストル。
「
――ただの、おもちゃだ」
だから大丈夫だ。
と、政宗はしがみつく紅赤毛をみっつ、それぞれ撫でてやった。
カラン、と草履の足音がまた、響く。
――そう言えば兄狐の佐助は、人間嫌いだ。
その妹の金毛のかすがは、政宗に最初、ひどくおびえた顔を見せた。
狐のきょうだいの親はいないらしい。
「神輿だけ見たら、帰ろうな」
「……」
小太郎は政宗の手を少しだけ強くにぎって、小さくうなずいた。
境内に近づくにつれ、人の流れが混みあってくるようだ。少し汗ばんで、政宗は息をつく。
苔むした石段を小太郎に合わせてのぼりながら、すっかり暮れた空を見上げた。
提灯が並んでいなければもう少し星が見えただろう。
石段を囲む山の木々も、灯りの後ろで闇に沈んでいた。
御囃子の笛の音や、かつぎ手の掛声が近づく。
上りきると人々の頭の向こう、神輿が飾りを揺らし狭い境内を周っているのが見えた。町の大通りを一周してきたところだろう。
「ほれ、見えるか?」
小太郎を肩車してやって、ふと、他のふたりが見当たらないことに気づいた。
――人混みに入るすきも見えないが、小さな体でもぐりこんでしまったのだろうか。
「…Excuse,失礼、」
縄の張られたところまで出て、ぐるりと見回すが、小さな赤毛は見当たらない。
また人を押しのけ、押しのけ、政宗は人垣の周りを歩いた。
開いたままの左目に、汗が入りそうになって、袖でぬぐう。
シャツの背がじわり、と冷えた。
「小太郎、…小太郎、」
政宗はくりかえしくりかえし、名前を呼びながら歩いた。
どちらが迷子か、と声の情けなさに目頭を押さえる。
やがて、肩に乗せたままだったひとりが、ぺたぺたと政宗の頭を叩いて、人垣を外れた暗がりをゆびさした。
紅い頭がふたつ。
山の狐らしくそっと、あじさいの葉の影からのぞいている。
「Oh my,…」
政宗は深く深く、息をついた。
「そこにいたか」
「……」
「……」
肩のひとりを下ろして、切り株に腰を下ろす。
「悪かったな、目離しちまって」
ふるふると頭がそろって横に振られるのに、政宗はホウ…と笑った。
――少し、めまいがする。
人混みは久しぶりだった。
小太郎の浴衣の藍の、静かな水のように揺れる縞模様が、目に涼しい。
「……」
「……」
「……」
小太郎たちは互いに顔を見合わせて、政宗の手をくい、と引いた。
両手を引かれて政宗は腰を浮かせる。
「ああ、神輿だったな」
ふるふるとまた首を振る、紅赤毛が提灯の灯りで橙に光った。
「
――帰ろうって?」
「……」
こっくり。
うなずく頭に政宗もうなずき返して、立ち上がる。
「そうだな、木立を通っていけばはぐれないだろ」
紅い頭がみちびくほうに歩き出した。
靴の下で、草がサリサリと鳴る。
*つづく*
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