戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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今晩は満月ですね~。大晦日とかぶるのは三十年に一度くらいと聞きました。
戦国の頃は太陰暦で大晦日は新月の手前になり…ますよね?調べてないので自信ないですが;
まあBASARAだしいいか。
予告していた結婚してる戦国サスダテネタをおいていきます。
少し下げてますので↓↓↓スクロールでお願いいたします。
【はじめての大晦日。】
一年の計は元旦にありと言うけれど、一年の締めくくりをどう過ごすかも大切だ。
一日の最後を家で過ごすように、静かに温かに、家族とともに。
だから、元旦を迎えるその前に、せめて帰ってきて顔を見せろ。
そう嫁に言われた猿飛佐助は、大晦日の寒い暮れ空を大凧で飛んでいる。
凍える風がびゅうびゅうと泥化粧を刷いた顔を打ち続けていた。
あれ?静かに温かにってどこの話?
――聞かないでくれ、俺様が聞きたい。
甲斐武田軍の年末年始、真田忍隊の長はお館様の警護や真田幸村の補佐や忍軍の指揮で忙しい。その佐助をこんな強行軍で呼びつけるのだから鬼嫁だ――という気もするのだが。
『無理ならいい。ただし、俺は城から離れられねえ』
と一国の主である嫁に言われてしまっては、佐助の方が無理をするしかない。無理をしたくなってしまったのだから仕方がない。
佐助の嫁は奥州筆頭、伊達政宗なのだ。
鬼と言うより竜である。
何故忍びの佐助が突然、他国の、国主の、男の、しかもよりによって独眼竜と結婚しているのか?
――聞かないでくれ、俺様が聞きたい。
とにかく佐助にとってこの一年は驚天動地の年だった。
上半期は普通に武田の大小の赤い上司の面倒をみていたはずなのに、六月にたった一度の過ちで、独眼竜と祝言を挙げる羽目になったのだ。
たった一度の過ちと言っても、男として責任を取らなければならないたぐいのアレではない。
ただ何故か白無垢を着せられた独眼竜の前にすわって、意味も分からず『いえす、あい、どぅ』と呪文を唱えただけである。
その場の雰囲気に流されてものを言ったり、ましてや契約書に自分の名前を書いたりするものではない。年末に世知辛い話だ。
そんな過ちのせいで佐助は今、戦のためでも諜報のためでもないのに、寒さで凧に凍りつきそうになっているのだ。
救いがあるとすれば、着いた先では温かい白湯の一杯ももらえるであろうということ。
佐助の嫁は戦場では横入り上等Let's party!アンタが弱えのが罪なんだぜYa-Ha-!!!という無茶の限りで有名で、何しろ佐助自身も苦手だったのだが、一度身内と決めた人間には案外甲斐甲斐しい。マメに手紙を書いたり気遣ったりするし、料理上手だ。
――うん。毒されてる、俺。
ついたため息に雪が交じる。
急降下する大凧。
半年前から佐助の部屋が出来た、青葉城の、天守が見えた。
困ったことになった、と佐助は思う。
――仕事の量は変わらないにせよ、暇を見つけては甲斐と奥州を往復する分前より忙しいわけだし、奥州に行ったら嫁と飯を食ったりするし、何か嫁とか認知されてるけどあれ奥州筆頭だし。
色々とつっこまなければならない点が多いのだが、佐助は忙しさを言い訳に思考にふたをしていた。
佐助以外の誰もこの状況に疑問を持っていないのが幸いであり、疑問であり、最大のつっこみどころである。
甲斐の上司二人には晴れがましく認められているし、伊達軍の兵士にも受け入れられているし、強いて言えば伊達の右目と名高い某忠臣が完全な小舅と化して佐助をいびってくるわけだが――いや待てあんた、小舅と婿の関係性認めてる場合かよ、と佐助が頭を抱えざるを得ない場面ばかりが多々あった。ひょっとすると集団催眠か何かかもしれない。
困ったことになった、と佐助は思う。
何しろ今までは佐助はただ忍びであればそれで良かった。忍びとして使い物になる体であればそれで良かった。
なのに今では。
「あんた、俺が縫ってやったPonchoどうした」
「あの綿入りのことなら雪吸って重くなるから置いてきました」
「Silly,雪なんざ吸うかよ!」
異国語交じりに投げかけられる声。
火の焚かれた暖かな部屋で溶ける雪を、佐助の橙色の髪から落ちる雫を拭う乾いた布。
今の佐助は、寒さや疲労や、忍びの身には心配するほどもないことを、細やかに気遣われている。
この状況に最も疑問を抱くべきなのは本来、あの時何故か白無垢を着せられていた――どうやら何か言いくるめられて着せられていた伊達政宗であるはずなのだが。
非常識度で天下を争うこの独眼竜、意外にも面倒見がいい性格が災いしてか、何故かこの生活を受け入れている。
確かにこちらは、たまに来る佐助とそれらしく食事をしたり世話を焼いたりするだけ――と言えなくも無いのだが、一国の主に受け入れられる変化であったのかどうなのか。
パチ、と火の辺りで爆ぜる音がした。
「…おかえり」
「はい」
「はいじゃねえだろ」
「えっと、ただいま」
――あるいは、ただこの人は、家族の暮らしに憧れているのかもしれない。
「Good」
白湯をさしだして殿様は笑う。
佐助は受け取って、温もりを手で包んだ。
――困った困ったと自分だけが、一人胸中で繰り返しながら半年だ。
「あ、信州から蕎麦持ってきた」
「Wow,年越しに食うか」
独眼竜は包みを受け取ってすらりと立ち上がる。
「茹でてくる」
開けたふすまの向こうに床が並べて用意されていた。
――ちなみに、と言うか当然、と言うべきか、ここまでの流れでおよそ見当がつくかとは思われるが。
夫婦の営みは一切、ない。
政宗の方からも、それらしき素振りさえ無い。
そもそもこの殿様は女相手に子作りしなくていいのか、と佐助は何度か思ったが、口に出せずにいた。
せめて状況を把握してから発言したい――と思い続けてもう半年。状況というのは、そもそも政宗が嫁なのか佐助が入り婿なのか、というところから始まって、世継ぎも生まれない政略結婚ですらないこの関係が互いの国にどう影響するのかという辺りに帰結する。
「いただきます」
「いただきマス」
香ばしい湯気を立てる蕎麦が染み入るように喉から腹の底を温めた。
外ではしんしんと雪が積もっている。
年の最後の日に、この城はずっと静かだったのかそれとも無礼講が振舞われたのか、佐助は知らない。
いずれにせよこの人が暇だったはずは無いのだろう。疲労は見えない。
――けれど、自分のためだけに起きて待っていたのも間違いない。
そこまでは分かる。
「あの、」
「Hum?」
その先が分からない。
世継ぎは生まれない。政略結婚の意味は成さない。人質ですらない。この生活はいつまで続くのか。
――いつまで許されるのか。
「…美味しいね」
たわむ金色の独眼とこぼれる竜の牙。
「当然だろ?」
明日は雑煮な。
そう言って笑う伊達政宗に、――困ったことになった。と、佐助もへらりと笑って返す。
半年前は何が起こっているのかさっぱり分からなかったが、少なくとも相手が飽きたらいつでもやめればいいことで、そのとき自分は跡も残さず去ればいいのだろうと、それだけは分かっていたつもりだった。
――今は。
温まった頬が僅かに桜に染まるのを見るにつけ、もっと濃い跡を残してみたくなる。そういう欲がある。
明日と言わず、もう少し先まで続くことを期待している。そういう欲もある。
縫ってもらった忍び装束は、何だかもったいなくて着られなかった。
「…今年一年、お世話になりました」
「You're wellcome,来年もよろしく」
よろしくされて良いのかも分からないのに、何でこんな気持になってしまっているのか。
――聞かないでくれ、俺様が聞きたい。
+++
六月くらいに考えてたネタの続きです(そのネタ自体は形になっていないのに)。
今年の自分は上半期プチオンリーで散々方々にお世話になっておきながら、下半期不義理なままで過ごしてしまいました。皆様すみません+ありがとうございます!
それでは良いお年を~。
