戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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「プチオンリーもあるし体に気をつけるんですよ」とT。議長とK猫師匠に言われた次の日に熱だしよりました。貝島です。
笑えないorz 五月は本当に気をつけます。
熱は下がったし明らかにインフルエンザではないんですが、喉が痛い…。
さておき更新はlink頁、『真伊達祭2009』様をペタリです。2月8日、すぐですね!
週末はお狐ネタで更新予定です(こそ)
あとこんなところでお返事兼ねてしまいますが、
影夢さまへ!通販確認メルフォありがとうございました~m(_ _)m
で、追記より…5A式のクリスマスの続きを……まだ完結しませんが。反省してます。しかし懲りないな!
↓↓↓より続いております。
①
http://sasasake.blog.shinobi.jp/Entry/272/#more
②
http://sasasake.blog.shinobi.jp/Entry/277/#more
「Ha,相変わらずShayだな」
呟いた次の瞬間、降ってきたのは自分のものでも謙信のものでもない、柔らかな声だった。
『……慎み深いと言え』
「What?」
声を上げたダテ博士の手から、驚いたのだろう、夢吉が逃げ出した、
金の光は、ますます遠ざかるように筒の中に張り付く。
その様子をダテ博士は、まなじりつり上がった左目でまじまじと眺め、スピーカーを探すように周囲に目を向け、最後に真後ろの白い花のような姿に目を向けた。
「おい謙信、」
花に例えても何の違和感もない麗人は、口元に手をあててクスクスと笑っている。
「何時からだ?」
ダテ博士の知る限りでは上杉教授のAIはまだまだ未発達なのか、スピーカーをとりつけても口をきくことは無かったはずだ。
「さくじつですね」
あなたには自分から話すと言って聞かないのです。
謙信はその光に照らされた顔に、愛し子への眼差しでそっと笑みを刷いた。
「さあ、あいさつしてごらんなさい」
萎縮していた光が一瞬ふわり。広がる姿は、花が咲くようにも少女の髪が舞う姿にも似て見える。
――少女の、と思うのは先ほどの声の印象だろう。
光は風を失ったようにふうと納まった形になって、しばし沈黙した。
『………ぉ』
やがて勇気を奮い起こしたか、幼いような声が震えて。
『お久しぶり、です。マサムネ・T・ダテ博士』
一言一言、明滅しながらはっきりとそう言った。
――彼女は、自分の声に少女のそれを選んだらしい。
「Oh…」
ダテ博士は口笛を吹きかけた口を抑え、水晶の帳からわずかに身を引いた。
「失礼したな、Angel.一週間ぶりだ」
『その呼び方は――』
怒ったような声がわずかに揺れて、掠れる。
「嫌か?」
『…ああ』
挨拶とはうって変わってぶっきらぼうな答えに政宗はククッと笑った。
『な、何がおかしい』
堪えても堪えきれないとばかりに笑うダテ博士に近づいて、光は怒ったような声とは裏腹、不安げに揺れている。
『謙信様…』
助けを求めるように揺れる光に、麗人は目元をわずかにたわませて。
「しんぱいはいりませんよ」
博士は嬉しくて笑っているのですから。
絹でくるむような声音で、そっとダテ博士の横に並ぶ。
「いかがです?」
「ああ…確かに、」
嬉しくてkissの一つもしてやりたいよ。
光がザザザと音がしそうな勢いで謙信の方に集まるのには苦笑して、政宗は後ろ髪を軽く払った。
「しかし謙信様、とはなあ」
――敬愛の対象としてもなかなか過剰ではないだろうか。
考えたことが顔に出たのか謙信の眼差しは全てを見抜くのか。
「あなたのしょうねんとおなじですよ」
アルトの声が笑いを含んでそう言った。
――小十郎は少年と言うイメージではないし、いやいやサスケは間違っても政宗様などとは言わないだろう。
とは思うものの、何やらふと右目の裏に浮かんだサスケは満面の笑顔で、口にせずとも今にも『まさむね大好き』と言わんばかり。
――まあ、あまり人のことは言えないのかもしれない。
政宗はムム、と口を閉ざした。
謙信がくすり、と笑みを深くした。
『謙信様…あの少年とは…?』
ふわり、と光が白い姿に寄り添う。
謙信に話しかける声はどこか頼りなく、迷子の子どものようだ。
――自分の全て、と思う人が別の子どもを気にかけていれば、そんな気持ちにもなるだろう。
政宗にも覚えのある感情で、サスケにいたっては子どもどころか大人や人工知能までムキになる始末だ。
小太郎の時は意外にあっさりと受け入れたものだったが――。
今回はどうだろう。
あの謙信の元で育った、光の子。
未だ実体のない彼女は謙信の言葉に形の無い耳を傾け、アルトの美しい声が止んだ後まで聞き入っていたかと思うとひらり、端を翻して。
『甲斐原理統合5A式……あのヘラヘラした橙頭のヒューマノイドか』
――なかなか的確なコメントをした。
「Ah,Ange…」
ダテ博士は一瞬口をつぐみ、
「あのな、サスケはそんな、あー」
否定しようとして失敗した。
口元に拳をあてて苦笑すると、光はばつが悪そうな声音で。
『…幸せそうな頭だと思っただけだ』
フォローのつもりだったのか、ぶっきらぼうに言った。
クスリ、と真珠を転がすように笑ったのは謙信だ。
「しあわせなのでしょう、しんから」
心からなのか、芯からなのか、真からか。
どれでもあってどれでもないのかもしれない。
そう思わせる不思議な微笑で、謙信は透明な壁にそっと指を触れさせた。
どこかで水音がした。魚も放たれた蓮の池の方だろうか。
厚く繁った緑の上に射す光は、熱をもたらす照明とBASARAeの放つ光。
明るく暖かく、穏やかなこの場所に、風はない。
ふと垣間見えたガラス壁の外は――静かに真白かった。
音も無く風も無く冷たさも無く、画面の向こうの映像に似て、いつの間にか雪がちらつき始めている。
「なを」
コトリ、と、大切なものを置くように。
「このこになまえをつけたのですよ」
謙信の声が響いた。
「名前を?」
聞き返せば、睫をそっと伏せて光を見つめている。
「あなたにならって」
「サスケのことかい」
『…サスケ、とまた言ったな』
訝しげな声の色で光は揺らめいた。
『5A式にはそんな名前がついているのか?』
――そんな、の後にはっきり“変な”がつかないのが意外なほどの声音である。
それが謙信にも伝わったのだろうか、ふわりと指先で透明な帳を撫でて。
「そのようにいうものではありませんよ」
柔らかく諌める声に光がハッと窄まる。
「ま、そもそもが幸村の読み間違いが元だしな」
しかもそのユキムラ・G・サナダ博士は未だにサスケを“5A式”としか呼ばないのだが。
「俺は気に入ってんだけど」
苦笑気味に言えば、光はばつが悪そうにふわりと政宗の方へ寄ってきた。
『悪かった』
「気にするな」
その光に上杉教授がどんな名をつけたのか、とダテ博士は左目を細める。
「けどな、サスケと呼ぶようになってから成長速度が上がったのではないか――ってサナダ博士も言ってたぜ?」
言えば謙信はふふ、と笑った。
「かれだけではありません」
貴方の大切な人の名を、つけたでしょう。
――言われて頭に描いたのは、今朝の騒ぎだ。
「小十郎さんはね」
洋菓子店を店先から覗きながら、サスケは顔を上に向け同じようにケーキの並びを眺める慶次の茶色の尻尾に話しかける。
「昔まさむねの世話をしてくれてた人の、名前をつけたんだって」
へえ、と慶次は視線を下に降ろしてくれた。
「そのせいか、だんだん小十郎に似てきたってまさむねは言うんだけどさあ」
「けど?」
口をつぐんだかと思えばむうと尖らせて、5A式はケーキの紅い苺を睨みつけている。
「頑固って言うか融通がきかないって言うか、その辺もその人譲りなの?とか聞きたくなっちゃうわけで…」
その頭上でぷふーっと吹き出す気配があった。
「何、けーじさん」
「いやいや」
慶次が笑いを堪えきれないほど微笑ましく――と言うよりまあおかしく思ったのは、甲斐原理が論じられる以前のAIの応用のきかない性質を人の性格のように言って不満げな5A式の言葉が、『小十郎が石頭でな』と眉間を押さえるダテ博士に重なって見えたからであった。
そんな政宗の言葉など知るはずもないサスケは、その訝しげに笑い顔を一瞥し肩をすくめる。
「挙げ句『政宗様に何食わせる気だこのくそ餓鬼』とかっ。おれさま変なものなんか作ったこともないのに!」
「そりゃあ、また、」
言いよどむ慶次を残してサスケは洋菓子店から大通りへ歩を戻す。
「でしょ?酷いでしょ!?」
「……」
慶次はうーむ、と肯定も否定もせず顎に手を当てた。
人工知能、と一口に言ってもそのレベルは未だまちまちだ。
その最高峰と言われる甲斐原理式AIの二体――と言うよりは、慶次にしてみれば二人、サスケと小太郎がまるで人間そのものであるのには今まで疑問もいだかなかったが。
――『このくそ餓鬼』とはなあ。
慶次が旅をしていた頃に『閃』の外で見てきた旧式のAIは一定以上の判断力を求める事さえ難しい様子だった。OSで動くドールはおろか、タワーで見られる最新のAIですら、そんな人間らしい受け答えが出来るのか怪しいほどだ。
「その…小十郎って言ったっけ?旧式のAIって聞いたけど」
そんなに流暢に喋るのかい?
問いかければサスケはオレンジ色の頭を揺らす。
「ん?んー、多分、政宗が色々組み込んでるしね」
柔らかそうな眉間にしわを寄せたまま、「何でそんなこと聞くの?」と振り返る。
「いや、なんて言うか」
それに大股で二、三歩、小さな背中に追いついて慶次はたははと笑った。
甲斐原理=武田理論が人工知能の分野の突破口になったと言われてはいるが――実際、その理論に則って完全な“甲斐原理式AI”を作ることは酷く難しいと言われている。
甲斐原理式AIはBASARA-eから成り立つ。
まずその大量のエネルギーをどこから供給するのかという点で、一人の技師が戯れに作れるものではない。
またBASARA-eそのものが少し齧ったくらいでは扱えない上に、武田信玄の打ち出した甲斐原理式AIの組成が難解なのだから――今世に出ている多くの“最新のAI”が、“甲斐原理式AI”ではなくそれを応用した作業用人工知能でしかないのは仕方の無い事だろう。
『あれをあつかうのは、ふらみんごのくびをぱたーにくりけっとをするようなものです』
昔、慶次がBASARA-eの基礎について学んでいた時、こう教えてくれたのは上杉教授だ。
フラミンゴの首をパターにクリケット。
頭の中で思い描いて、それが謙信の部屋にある本の挿絵と結びつく。
小さな女の子に脚を持たれたフラミンゴは、少女を馬鹿にするように勝手に首を立てていた。
『何か、えらく難しそうだね』
上杉教授はにっこりと微笑むと。
『ええ、とても』
と頷いたものだ。
そのフラミンゴに言う事を聞かせて複雑に組み立てたのが昔風魔AIを作った科学者でありサナダ博士であり、それをさらに育てているのがダテ博士と言うわけだ。
「何て言うか…俺の友達って凄い奴なんだなと思ってさ」
ダテ博士なら、旧式のAIに手を加えてそんな風に喋らせる事もできるのだろうと――それがどんな技術なのか今ひとつ慶次には分からないにせよ、そう思えた。
すると前を歩いていた少年が、くるんと振り向く。
「何言ってんの、今更」
その顔にはもうしわの一つも無くて、自慢の家族を褒められた子どもの満面の笑みだけ。
分かりやすい表情に思い出されるのは、鋭い目つきも和らげた困っているような呆れたような観念したような困惑顔だ。
『流石の俺も、何でサスケがああいうcharacterになったのかは解明できそうにねえ』
それはニュース映像の若き天才ではなくて、慶次の友達の、政宗の顔。
「その小十郎って――政宗の世話してたって人の方、今どうしてるんだい?」
知り合って二年は経つが、政宗は自分の子どもの頃の話をしたがらない。
何かの事故があったのだとは叔父夫妻に聞いたが――。
「知らない」
静かな声に、はたと慶次は視線を下ろした。
子どもの顔からすうと表情が、消えている。
「だって、」
その顔は、見る間に痛いようにくしゃりと歪んだ。
「――で、サスケは小十郎相手に喚いてたんだと」
おかしいだろ?と笑う顔の左目をふと伏せる。
「夜中に起こしてくれた時なんか、成長したと思ってやったんだけどな」
にこにこと聞いていた謙信がその左目の僅かな翳りに、静かに目を細め首を傾ける。
「あくむを、みるのですか?」
「No.」
政宗は首を振る。
あの事故の後、上杉教授に聞かれたのと同じ問いかけ、同じ答え。政宗は目を伏せ口元だけで笑んで首を振る。
「夢には――不思議と見ないんだ」
右目の裏には焼き付いて消えない、閃光と熱さとしか覚えられなかった痛みと。
――真っ赤に染まった。
(…母さん、父さん、小次郎、…)
夢を見るのだと言えば、誰もがあの事故の日のものと思って問いただそうとはしない。
政宗だって忘れた訳ではない――忘れられる、はずがないあの光景。
(小十郎、…小十郎!)
けれど夜見る夢は、それをそのまま甦らせるようなものではなかった。
「あいかわらず――あなたをなやませるのは、かのゆめみなのですね」
――初めてあの夢を見たのはいつだったろう。
病院の寝台で目を覚ました夜からか、怪我で意識を失っていた深い暗闇の中でのことか。
――最初にその話を聞いてくれたのは誰だっただろう?
足繁く見舞いに訪れた14歳の幸村か、それとも。
『夢の中で、幸村みたいなやつが…紅い鉢巻きに紅いジャケットの……でも何か、もっと年上で、元就とか元親も白衣じゃなくて…』
それとも。
『先生もいた気がする。たぶんあれは、武田博士といっしょに』
『ほう、きょうみぶかいことです』
何を話しても柔らかく美しく微笑んでいる。
馬鹿にすることも、話し相手の想う事をこうと決め付けることもない。
白い顔の、夢見るように伏せた睫には光さえまとって見える。
それを、見上げて。
「悩んでるように、見えるかい?」
掠れた低い声が僅かに震えた。
「わたくしのめがくもっているのでなければ」
透明なアルトは、楽の音のように響いた――。
続く
