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戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。


妄想が(M)延々と(E)洩れておりますな(M)お館さヴァア(O)!!!



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04.07.Tue  
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こんばんは(フロム夜バス)!

今日更新だったクリスマスネタ(前編)がhtmlに仕上げられなかったのでmemoに載せに参りました。


novel頁に上げる時には多少書き直すかもしれませんが、クリスマス時期をのがしたくないがため…!


長いですが追記機能が使えないので、↓↓↓スクロールでご覧ください。

(追記に移動+題名変更09/01/04)













 闇に触れる。
 闇のような柔らかさがこの手を押し返す。
 闇そのものの冷たさで、そこに確かにいる影。
『…それで、なんて言ったと思う?あいつ』

――あいつ?誰のことだ。

『さあ、知らねえなあ』

 言葉を紡ぐ彼の唇。
 まるで別の誰かのように、遠い。

――これは誰の唇だ。

 答えを出す代わりに、闇の中で鳶色に光る、双眸がきゅうと細まった。
 細まって、近づいた。
 辺り一面が闇なのに、自分の視界を占めるのは冷たい鳶色。

――なあ、あんたは誰なんだ。

 鳶色の中に映った顔が、泣きそうに歪んでいる。
 ぎゅっと目をつぶって闇をつかんで彼はその闇の名を呼ぼうとした。
 呼ぼうとした喉が引き攣れた。

――呼ぶべき名前を自分は知らない。
――否。知っている筈だ。知らない筈が無い。こんなに近くにいてどうして。

 するりと身をかわして逃げてしまいそうな、闇の端を縋るようにつかんで。

――思い出せ。思い出さなければ。

「…、」

 喉を震わせた。

『どうしたの、竜の…』





「――政宗、」
「あ、…」
 ビクン、と身を竦ませて目を覚ました。
――暗がりの中に光る鳶色がふたつ、自分を見つめている。
 鳶色は一瞬ぱちりと明滅して、まさむね、と彼を呼んだ。
「…さ、すけ?」
 問うまでもない。
 庭の夜灯の光が薄らと入り込んだ、蒼い部屋。
 ここは彼の部屋の彼の寝台で、その腕の中に納まっているのは、いつもの抱き枕だ。

「こわい夢?」
 同じ部屋に用意されたベッドを今夜も勝手に抜け出したらしい、その小さな身体をそっと抱き寄せた。
「――No,大丈夫だ」
「うそ」
 柔らかい細い指が政宗の目元を拭う。
 ぼろり。と、熱い大きな雫が落ちていった。
 腕の中、細い身体が猫のように伸び上がって、政宗の額に額をこつんと合わせる。
 鳶色が咎めるように、きらりと細まった。
「嘘じゃねえさ」
 その下の、頬の辺りの柔らかい輪郭を指でなぞる。
「…少し、もどかしいだけの夢だった」
 影は沈黙した。
 それから、政宗の頭を顎の下に押し付けるように、ゆるく抱きかかえたようだった。

「まだ三時だよ。もうちょっとゆっくり寝なきゃ」
 このところ忙しいから、と気遣っているのだろう。
――本当は、問いたいことは多いはずなのに。
 少年期の声を低く潜めて、暗がりに溶け込むように優しく囁く。
「おやすみ。良い夢を」
――まるで大人のように。
 一人の男のように。
――政宗、と呼ぶ声は、違う声のはずなのに。
 抱きしめた体は小さいはずだと分かっていても、暗がりの中、ひょっとしたらと思ってしまう。
『竜の旦那』
――そうとしか、あの声は呼ばないはずなのに。
「サスケ」
「んー?」
「…サスケ、」
 呼ぶべき名前があることに、ほうと肩の力が抜けた。
「――ここにいるよ、政宗」
 そうして、政宗は今度こそ、夢の無い眠りに落ちていった。



――あるいは、あれこそが夢だったのかもしれない。
 と、翌朝目覚めたマサムネ・T・ダテ博士は、まなじりの吊り上った左目をしょぼしょぼとさせながらそう思った。
 大人っぽいサスケなんて夢か嘘かとしか考えられない。
 なぜならば。
「違うもん違うもん、小十郎さんのバカァ!」
 朝目覚めて真先にダテ博士の頬にキス一つ、跳ねるようにベッドを抜け出して朝食の仕度にかかった筈のサスケは――甲斐原理AI搭載のヒューマノイド5A式は、旧式のAIのモニターに向かって地団太を踏んでいる。
「Morning,小十郎、サスケは何やってんだ」
 俺の珈琲は?
 くふぁあ、と欠伸をして政宗がダイニングのドアにもたれかかると、サスケはオレンジの髪を揺らしてパッと振り向いた。
『入っております』
「おれがセットしたのっ」
 男の低い声に近い音声と少年の声に緩く頷いて、政宗はThanks.と呟いた。
 サスケがその背丈には少し高めのシンクにパタパタと寄って、保温庫から青いカップを取り出す。
 最後の一滴を落とした珈琲メーカーのポットを取って注ごうとする、危なっかしい手つきに背を向けて、政宗は牛乳を取りに玄関へ出た。
 真青な空と、氷の粒でも混ざっていそうな白い光。
 吐く息の白さと雪の積もった小道も見慣れたものだ。
 季節は十二月も末である。
 ぶるりと身を震わせて、政宗はポストからキンキンに冷えた壜を取りダイニングに引き返す。
 白いミルクを緑のカップに半分を注いだ。
「小十郎、加熱」
『かしこまりました政宗様』
 加熱するだけでかしこまる必要は無いのだが、何をどう学習したものか――多分付けた名前が悪かったのだろう。この人工知能はたまに音声を発したかと思えば、こうした受け答えをする。
 チン、と鈴のような音が小さく鳴ったのを合図に、緑のカップを加熱器から取り出した。
 パンは狐色に焼きあがって白い皿の上。茹で野菜と卵のサラダはボウルの中。
 バターとオレンジマーマレードを真ん中において、緑と青のカップを交換する。
「いただきまーすっ」
「Ah-…生き返る…」
 瑠璃色がかった青に口をつけて、ほうっとため息をつくと、「まさむね」と向かいでモスグリーンを手にした少年が口を尖らせた。
「イタダキマス」
 そうそう、と頷くサスケにもう一口珈琲を含む。
――まったく、口やかましいのが増えたものだ。
 しかしサスケがこうなる以前に三食管理してくれていた小十郎は、最近めっきり口数を少なくした。
 最近の“彼”の仕事はと言えばもっぱらダテ博士の実験や論文のサポートに運転補助、伊達研究所の警備システムの管理――まあこれだけでも十分すぎるほどの働きだが、一番肝心な仕事はと言えば、やはり。
「まさむね」
「ん?」
「コーヒー美味しい?」
「ああ」
 軽く頷けば、ムニムニと複雑そうに唇をかみ締める5A式。
 おれだって薬缶に手が届けばさ、などと呟いている。
 朝の珈琲だけは小十郎に任せるのが伊達屋敷の決まりだ。珈琲メーカーをセットするのがサスケであろうと政宗であろうと、豆の挽き方や湯量を調整するのは昔からいる“彼”の仕事である。
――そんな些細な事に、この自分の手が生み出したヒューマノイドは、ヤキモチを焼いたり拗ねたり我慢したりしているわけだ。
「サスケ」
「んー?」
「そのHot milkは美味いか?」
 政宗がセットして小十郎が温度を加減したホットミルク。
「…うん」
 良かったな、と笑ってみせる。
――まったく自分も大人になった。
 子どもが出来ると人間変わるもんだと自画自賛しつつ、ダテ博士はバターに手を伸ばす。
「で?小十郎と何の意見が食い違ったんだ」
 モスグリーンに口をつけた橙頭が、ぴたりと止まった。
 トンとカップをテーブルに置いて、5A式は半分目を伏せ照れたような拗ねたような、ダテ博士に言わせれば『人間でもしないようなFany face』でしばし沈黙し、そして。
「……ナイショ」
「ほう」
 どんな心理か是非とも問いただしたい気持ちを抑え、政宗はサクリとトーストを齧った。
「まさむねは今日は?」
 話をそらす気か、少年はオレンジママレードを手に小首を傾げた。
「予定通りなら夕方5時には帰る」
「そうじゃなくて、タワーに行くの?それとも、」
「ああ」
 なるほど、とダテ博士は口の端をにやり、吊り上げる。
「今日は謙信のとこだ」
 この一月というもの、ダテ博士はBASARAタワーでの毛利研究所でのボランティア以外に、第二緑地居住区の春日山エリアと第三緑地居住区の伊達研究所との間を忙しく往復している。
 春日山エリアと言えば風光明媚な山々が有名だが、タワーに集う博士達に言わせれば――臨床心理学で名を馳せた学者、上杉謙信の隠居先だ。
 一見そうは見えないが、若い頃はかの武田信玄と喧々諤々の議論を重ねたという伝説の、一癖も二癖もある難物である。
「今日も上杉さんのとこねえ…」
 政宗とは幼い頃から知り合いで、5A式には武田信玄の館に何度も通っていた中で、二、三度会わせている。
 二、三度しか会っていないにも関わらず、サスケの表情は何とも奇妙だ。
 こればかりは『ちっちゃいころのまさむね知ってるなんてずるいずるい』ではなくて、純粋に上杉氏への不可思議な感慨であろう。上杉謙信と何度か会った事のある人間は大概こういう顔をする。
 タワーのDr.モウリに言わせれば『あの眼球の主は我の専門外だ』であり、Dr.チョウソガベに言わせれば『ああ、いや…俺機械の事しかわかんねえから』であり、Dr.オダに言わせれば『是非もなし』である。
「ねえ、もう一月もずうっと、あの上杉さんと何の相談?」
 心底不思議そうにオレンジ色の頭が傾いだ。
 上杉謙信は5A式を作り上げる際にも関わっておらず、現在のダテ博士の手がける――主に、甲斐原理統合5A式ヒューマノイドと風魔AIのアンドロイドに関する研究とも一見無関係である。
 もちろん、武田理論の提唱者と夜っぴて弁論を重ねた人間が、武田理論に則ったAIに何の見地もないわけはないのだが。
――それだけでは、ない。
 政宗はニイと笑ってみせた。
「内緒だな、まだ」
「えー」
「それともお前も来るか?」
 問えばぶんぶんと首を振られる。
「今日は慶次さんと約束があるんだ」
「慶次?」
 思わぬ返事に声が低くなった。
 十月末の馬鹿騒ぎ以来、タワーに行くたびにかの小児科医と会っているのは――何しろ必ず政宗も巻き込まれるので知ってはいたが。
「聞いてねえぞ」
「言わなかったっけ?一緒に街にお買い物に行くんだけど、まさむねが帰る前にタワーに戻っちゃうらしいから――」
 慶次さんも忙しいしね。と訳知り顔でサラダを頬張るサスケに、政宗は左の金の目を僅かに細めた。
「何の買い物だ?」
 きょとんとする少年の頬には、ゆで卵の黄色い欠片。
 腕を伸ばして取ってやると、にんまりと猫のように笑う。
「――ナイショ」
――また内緒、だ。
「Okey Dokey,車に気をつけろよ」
「うん」
「ちゃんと慶次の手でも握っててやれ」
「はーい」
 清々しい返事に一つ頷いて、政宗はそれ以上は問わなかった。
――この季節にサスケが慶次と企みごととなれば、答えは知れている。



「ほう、わたくしにはけんとうもつきませんね」
 白い雲が銀色に、垂れて落ちてきそうな空模様の下。
「あんたは俗世間から遠ざかりすぎなんだよ」
 世の中Christmas Seasonってやつだ。
 政宗の言葉に「おや」とばかりに瞼を柔く見開いて、その人は──男性とも女性とも分かり難い、青年のはずはないのだがその顔にはしわの一つも無い、ただすらりとそこに美しくたたずんだ、上杉謙信は微笑んだ──。












続く










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