戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。
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17日にメルフォくださった方へ!
イースターエッグのヒントは画像にマウスポインタが重要です。
そして宝物殿のお宝の中には九尾狐のいただきもの画像があります。
それらしいのを見つけたらマウスを当ててみてください。自己申告してくれるはずです!
パッと見で九尾とは分かりづらいので、ヒントとしては駄目だったかなあと不安だった所です…;
あとは狐に惑わされずに逢引き中の伊達(卵)と佐助(卵)を見つけていただければ大丈夫かと!
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とらじ。議長へ。十六万打おめでとうございますv
だからと言うわけではないですが今日は手乗り日和です。
ポツン、と額に降った一滴に、右目から頬まで濡らされる。
「おっと」
目を瞬いて佐助は暗い灰色の空を見上げた。
「また一雨くるねこりゃ。急ぐか」
すん、と鼻を鳴らして風の匂いを確認する。
いつもならばもう少し早く気づけたであろう、曇り空が天の水を支えきれなくなる瞬間。
わずかに反応が遅れたのは佐助のいる場所があまりに土に近く、湿り気を含んだ空気に満ちているからだ。
それはもう、笹薮が竹林に見えるほど、地面すれすれの場所で。
「頼むぜ、蛙くん」
ゲロゲロ。
佐助を乗せたがま蛙が、雨など気に留めた風も無い声で、のん気に鳴いた。
甲斐の武田軍真田忍隊が長、人呼んで猿飛佐助。
目下彼は、決して規格外でない大きさの普通の蛙に乗っかってしまえるという、人としてたいそう規格外な小ささの体になっている。
バラバラと降り出した雨粒も、今の佐助には結構な大きさの水の塊だ。
(…疾風の鞍とか欲しいなぁ)
むしろ雨浴びるのが嬉しいのだとばかりに余裕の顔した蛙の上で、佐助はずぶ濡れの橙頭をわしゃわしゃと掻いた。
こうなると部屋に上がるのに水溜りを残さないのは至難の業だ。何しろ一足飛びで屋根裏に飛ぶことも難しい身体である。
佐助が僅かな水跡を気にするのには、忍びとしての矜持と言うか意地と言うか、いずれにせよここが甲斐の国でないという辺りに由があった。
ぴょーん、と一歩進んだ辺りで、笹薮を抜ける。
と、雨簾の重なる向こうに蒼い人影があった。
(ありゃ)
この雨の中酔狂な、笠をかぶった袴姿。
しかしまあ粋やら酔狂やらは彼の旗印であろう。
蛙の脚はそちらを目指した。
「竜の、だんなーっ」
声は雨にかき消されるかとも思えた。
だが蒼い影の笠は僅かに動き、左目はゆるりと地面の方へ流れる。
蛙に跨る小さな橙頭を見つけて、見開かれた。
「Wow…猿飛か」
右目を鍔眼帯で隠した若者。
この庭の主であり、この庭のある城の主であり、その城のある奥州の主である――伊達政宗公だ。
「何やってんの、こんな雨の中で」
紺鼠色の袴のすそがすっかり濡れてしまっている。
政宗公はそれには答えず、しゃがみこんでまじまじと佐助を見つめた。
一つきりの切れ長の目があどけない風に見開かれて、いつもの切れるような眼差しと違って見える。
佐助は少しうろたえて、耳が熱くなる気がして、へらっと笑った。
「なに、水も滴るイイ男?」
「No」
さくりと否定され、濡れ鼠はがま蛙の頭にべちりとうな垂れる。
ゲコ、と蛙は暇そうに鳴いた。
「いや、そういうことじゃなくてな」
慰めは期待せずに顔を上げる。
屈み込む政宗公の笠がひさしになって、いつの間にか雨から庇われていた。
笠の影で、一つ目が熱っぽくきらめいた。
「――忍者って、本当にでかい蝦蟇蛙召喚して乗ったりするのか?」
「………いやー…本当にって誰に聞いたのか知らないけど、これは俺が小さいから乗れるんであってそんなでかい蛙は存在しちゃったら面倒見る忍びも大変かなーとか隠しとく場所もないなーとか思うわけで…」
びっぐふろっぐ、とか期待されても。煙と一緒にドロンとかそりゃ実際にいるやつなら消したり出したりできなくもないけど。
「Oh…it's so regrettable.」
意味は分からずとも酷く残念そうな声の響きである。
竜の異名を持つ男、弱冠十九歳。
(そう言えば真田の旦那と二歳しか違わないんだった…)
佐助は顔を背けて目元をぬぐった。
――心の汗?いやいやただの雨雫です。
「Ah?俺はコレだ」
手元に枝切り用の鋏を見せて、政宗公はニイと笑う。
歩く紺鼠の袴の足元を、蛙でぴょんと追いつき、佐助もなるほどと頷いた。
「でも、やっぱり酔狂だよねえ。何も雨が降り始めてからでなくても」
「それが良いんだ。本物の雨に濡れたのを、ってのがCoolじゃねぇか」
「くーる…風邪ひいちゃうよ?」
「ああ、Cold,だな」
足元と肩の上で会話しながら、雨粒にうたれる花木の方へと歩く。
目的は部屋に活ける花であるらしい。
「下の者に任せれば良いのに」
むしろ俺が取ってきてあげたのに、と佐助は思った。
ゲコ。と蝦蟇が鳴いたのは、そんな重いものを担がれては迷惑だ――という意味かもしれなかったが。
「自分で選ぶのが楽しいんだ」
袴のすそが止まってしゃがみこむ。
佐助も蝦蟇の足を止めた。
小さな白い花が一面に落ちている。近くに栗の木があるのだろう。
「それに外に出られないと気が腐るだろ?お前らも」
だが政宗公の腕が伸びたのは栗の枝ではなく、濃い緑の大きな葉が茂った潅木だった。
紫がかった青の鞠花。
これからが花盛りの、紫陽花の枝。
政宗の問いかけに答えず、佐助はその奥の気配に目を細める。
「独眼竜か」
女の声がした。
紫陽花の青い花に話しかけられて、けれど政宗は驚いた様子も無い。
「ああ。雨宿りに好い場所を悪いが、失礼するぜ」
腕を葉の奥に差し込んだと思うと、パチリ、と切る音。
切り取られた一枝を抜き出せば、その艶々とした葉に、金の髪のくノ一が座っていた。
こちらも佐助と同じ手に乗るほどの身の丈で、紫陽花の大きな葉の上で悠々としている。
「ものはついでだ。一緒に部屋に戻るかい?」
「いや、私は――」
とその目が遥か下方の佐助に、蝦蟇の上の濡れ鼠に降りた。
「…ありがたく肩を借りよう」
「Yes,be freely」
――え。何、俺見てその決心?
「良いじゃないの、がま蛙。猫と違って雨の中も通ってくれるし池も泳いで渡れるし」
「お前だって独眼竜の腕に乗って戻ってきたじゃないか」
二人は今回廊の板に敷かれた布の上で体を乾かしている。
政宗公はかすがだけでなく遠慮し恐縮する佐助もつまみ上げ、袖で無造作に拭いて連れて帰ってくれたのだ。
「…厚意には素直に甘えとくもんなんだよ」
「蝦蟇もいいが」
ぱちん、と枝切る音が響いた。
「Snakeには乗らねぇのか?」
すぐそばでは政宗が、紫陽花の枝の長さを定めていた。
下のほうの葉はぷつりと取って、脇に置いた籠に落とす。
「すねーく?」
「蛇だ」
それからまた、盆に置かれた枝を取り上げる。
「ああ、かすが似合うんじゃな…い…」
ギラッと殺気が光って目に見えそうな勢いで睨まれた。
「何だと?」
――何か蛙ごと一呑みにされちゃいそう。
シャーッと牙をむく蛇の幻影が背後に見えて、佐助としても別にこのくノ一とやり合って負けるとは思っていないし負けてやる気もないのだが、強いて言うならば空気を読んだ気で、口を閉ざした。
「Well,似合いそうだな」
パチン。
枝が断ち切られる音に、空気も断ち切られたように静まり返る。
「…そう思うか」
ひやりと北の地の、冷たい雨を含んだ風が流れ込んだ。
それを気にした風もなく、鋏を置いた手が紫陽花の鞠からこぼれた青い花をつみ、ひょいとかすがの前に置く。
「妖艶な蛇には美女が乗ると相場が決まってるもんさ」
「……」
「……」
四枚の菱形の花びらは、金の髪に映えるだろうと見えた。
――何て言うか、世の中にはこれが許される男と許されない男がいるわけで。
主一筋のくノ一が怒った様子もなくその花を拾ったのだから、伊達政宗は前者にあたるわけだ。
ちなみに佐助はやっぱり睨みつけられる自信があった。
――話題を変えたい。
また一枚、政宗の手がぷちりと紫陽花の葉を取って籠に落とす。
佐助は立ち上がり、てててっとそこに近づいた。
「竜の旦那、これは?」
近づいてみれば籠は高い壁のようで、佐助の今の背丈では覗き込むことができなかった。
屑篭にしては少々大きい。
そしてその壁の向こうには、かすかな気配がある。
「ああ…こいつだ」
手元の紫陽花から丸っこい何かをつまみ上げて、政宗はニイと笑った。
カタツムリである。
政宗の指に挟まれたその小さな生き物は、紫陽花の葉裏から引き離されて戸惑ったように巻貝の中に身を隠した。
「カタツムリなんて飼う趣味あったんだ」
意外、と笑う佐助に「飼いはしねえがな」と言いながら、籠に巻貝を落とし、小皿に用意された胡瓜のぶつ切りも放り込む。
――飼う気満々ではないか。
「No,食客だ。雨がやんだら放してやるさ」
「食客…ねえ」
何だか今の自分達と同じようだ。
苦笑する佐助に、政宗公はふと紫陽花の葉の一枚を持って首をかしげた。
「カタツムリは紫陽花の木によく見るが、葉は食わねぇよな」
「ああ、毒があるから」
頷いてみせると、その葉を口元に当てて柔く笑う。
「忍びには常識か」
まるで知らないわけではないらしい。紫陽花の葉は青梅にも並ぶ毒の性だ。
「何、食べちゃったことでもあるの?」
好奇心旺盛なお人のこととつい心配もあらわに聞けば、流石にねぇよ、とどこか毒の葉の似合うひねた顔でなお笑う。
「ただこいつも食わないから、如何だったかと思ってな」
こいつも、というのは先ほど入れたカタツムリのことであろうか。
また一つ胡瓜のかけらが放り込まれて、もりゅもりゅと食べる気配が藤網の壁一枚隔てて伝わってくる。
――そう言えば真田の旦那も小さいころに飼ってみたことがあったっけ。
力加減を間違えて殻を割ってしまったりもしていたが、佐助が貝殻を仕入れて餌に混ぜておくと、どう食したものか自然に治っていった。
悲鳴も文句も無い、静かな生き物である。
そこでふと、佐助は疑問を感じた。
カタツムリというやつは何処が目で何処が口やら分からない生き物である。
歯などあろうはずもなく、胡瓜を入れれば柔らかい真ん中だけを舐め取るように食べていく。
しかし。
――何だろう、この妙な気配は。
胡瓜の皮をぽりぽりと齧るようなかすかな音。
佐助はひょいと藤網の壁を登り、籠の中を覗いて絶句した。
「……」
「……」
「……どうした、猿飛」
固まった忍びの姿に、いぶかしむようにかすがは首を傾げ、トトトッと駆け寄ると同じように藤籠に登って覗き込んだ。
「……」
「……」
「……」
紫陽花の葉が敷き詰められた客殿に、大小五匹のカタツムリが身を寄せ合い重なり合い、好き勝手にまどろんだり殻にこもったりしている。
その片隅に、佐助やかすがと同じ忍びの影があった。
伝説の、と冠せられる北条の忍び。風の悪魔。
「…何やってるんですか風魔さん」
ポリポリポリ。ゴクン。
佐助の問いには答えずに、風魔小太郎は皮だけ齧り終わった胡瓜の薄黄緑の塊をトンと置いた。
一番大きなカタツムリが『すまないねえ』とでも言いた気に目を伸ばしたり縮めたりしている。
普通の人間相手より余程気心が知れた間柄に見えるのは何故だろう。
「……」
「……」
佐助とかすがは無意識のうちに、視線で政宗公に助けを求めた。
「Ah,it's so……あれだ、餌付けして大きく育ったら、乗るんじゃないか?」
カタツムリに。
――乗ってどうすると言うのだ。
相手は時速何寸という遅さの生き物である。
それでもその姿が何となく想像できて、佐助とかすがは小さなカタツムリを背負ったまま胡瓜を齧る大きなカタツムリから、それぞれ視線をそらしていった。
小太郎はカタツムリの殻の硬さを確かめるように撫でている。
「当分、やみそうにねぇな」
梅雨の空に目をやって、政宗公は紫陽花の葉を手にもてあそんだ。
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つまりこれが原因です(おさらい)
あと議長のチカパパ新作。
でも書いてて楽しかったのは「頼むぜ蛙くん」だったりします。
実際に乗ってたの佐助だけですし。
お付き合いいただきありがとうございました。
ところで先日紫陽花を見に鎌倉へ行きました(次回予告)
残念ながら佐助稲荷には行けませんでしたが狐は出現しました(私達の心の中に)
更新としては5A式が上げられそうです。
がんばるぞうう。
