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戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。


妄想が(M)延々と(E)洩れておりますな(M)お館さヴァア(O)!!!



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04.06.Mon  
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 今年はお正月というものはないのですが(喪中)、よろしくお願いしますというご挨拶がしたくて小話を書こうと思いました。
 前回ちょろっと名前出した尾/崎/士/郎の『真田幸村』にでてくる佐助がとてもヘタレで燃え滾ったので、そのネタで書こうと思いました。他にも真田太平記とか他の作者の真田幸村もあったのですが、パラパラめくってて尾崎さんのが一番佐助がね…!佐助がね…!
 十七くらいの時に焼き栗を女の子に貰たからって竹で櫛作ってきたっていうのが微笑ましくて、そういうの書こうと思ったんです。梵天丸に焼き栗貰ったら良いじゃんと。手乗り忍びーズが等身大の櫛磨いたら良いじゃんと。

 …何で明智になったんだろう。(それは勢いの力です)

 全然よろしくお願いします的な空気がないようなあれー…?

 ちょっと迷ったんですがせっかくなので載せさせてもらいます。
 明智と伊達が喋ってるだけでも良いよと思われる方は追記よりどうぞ!
 もちろん基本はサスダテです。



 新年のっけからおかしなサイトですが、今年もよろしくお願いします。
 〇八年、世の中にサスダテが一つでも多く増えますように。


 

 ぼとり。
 と、黒が落ちる。
 白の上に流れる文字に、それは失敗という名の容赦のない終点符を打った。
 しかし筆を持つ手の主の、金色の一つ目は、それにも気付かずじっと、一人の男を見ている。
「何かありましたか独眼竜」
 視線を向けられた男はゆらりと後ろを顧みた。
 縁側に立つ彼の後ろには、金色の左目を見開いたままの青年が丹精して整えている庭が雪綿を被っている。
 青年の心一つで大切にされ、切り捨てられ、育てられ、玩ばれる、物言わぬ命の戦場。世界の縮図だ。
 いつもとなんら変わりない。
 男は部屋の中に向き直った。
「なにかありましたか、独眼竜?」
 歌うような声で男は首をかしげた。
「あんた、光秀だよ、な」
「はい」
 気の長い方ではないが、たゆたうような悠長なやり取りが愉しい場合もある。
 この竜と呼ばれる青年の所に来た時は、特に。
「Oh my……what's happening?」
 竜は筆をおいて立ち上がった。
「そうですねえ。牡丹餅が食べたいものです」
「違えよ、何だその髪」
「ああ」
 ようやく問われた所の意味を察して、光秀は耳にかかる白髪を骨のような指でつまんだ。
「これですか」
 織田軍の明智光秀と言えば目にした者は――生きていれば、誰もが思い浮かべる長い白髪。
 真直ぐに足元まで伸びながら、妖気にあてられて蛇のようにうねっていたそれが、首筋を薄く覆うほどの長さに。さっぱりと短くなっている。

「これは夏毛です」
「今は冬だぜBaby」

 そんな髪をするなら夏にしろ、と言ったのは魔王の子で、ちなみに少年が光秀の髪に気付くのには三日かかった。
「切ったのか」
「ええ」
 真直ぐで細い白糸が、丸い頭の形にひたりと収まっている。
「また何で…Ah,別に悪いたあ言わねえが」
 トタトタと近づいて、竜は縁側の日のあたる場所に腰を下ろす。
 光秀もその隣にするりと膝を落とした。
「枝に絡んだのですよ」
「…根性のある枝があったもんだ」
 大木の太い枝に白い毛束がまとめて結わえつけられ、光秀が「あーれー」と棒読みしている図がその金色の目に見えるようだった。
「独眼竜が今想い描いている絵は少々間違っているでしょう」
「そうか?」
 ほれ、と最初の驚きを忘れたような顔で、青年は干菓子を差し出した。
 小枝のような指でつまむ。
「細い細い枝に、少しだけ絡まって、解くのも面倒なので切りました」
 どこの森だったか、確か赤い花の咲く花木であった。
 次の枝も、次の枝も、光秀に“行クナ”“行クナ”と囁くように絡み付いて、引っ張ればポキリと折れて。
「それが何度も続いたものですから、信長公の元に着く頃にはこの辺りまでしか残っていなかったのですよ」
「Ha-n,そりゃあ…大変だったろうな」
「まったくです」
 そんな髪が残された花木を見た者は震え上がったことだろう。何の呪いだ。と、政宗が考えていたことなど気付かずに――気付いても何も変わらなかったろうが、光秀は頷いた。
「それで整えてもらったわけだ」
「はい」
「その着いた屋敷の人間に?」
「はい」
 竜がにい、と牙を剥く。
「“蝶”か」
 光秀の耳にかかる髪が、ゆらるとうねる。
「――はい」
「Ha,」
 光秀の髪に刃を入れられる者などそうそういない。魔王や魔王の子とは考えがたく、供の者ではなく訪ねていった先の人間であるとすれば、それが出来るのは彼が蝶と呼ぶ女しょうただ一人だろう。
「しかし勿体無えな」
 竜の掠れた声が静かに響く。
「あんたの髪、真白で好きだったんだが」
「今でも白いですよ」
「Ah-ha,」
 軽く笑んだ竜を見て、光秀はしばし考える。
「…私の髪はこしが弱いので、首一つ絞めるのにブチブチと切れてしまうのです」
 だから短くなったとて未練はなかったのだ。
 背筋を伸ばして座る光秀は、胡坐をかいて座る竜の茶色がかった髪を見下ろした。
 立っていても肩より低い位置にあるその頭の形は見慣れたもので、中には丸いきれいな頭蓋が納まっているだろうと思わせる。
 ぽむ、と手をのせると、日差しに温められた黒髪は光秀の手に少々熱かった。
「何のマネだ?」
「…あなたの髪も絞めるには向いていない」
「残念そうな顔をされても伸ばす気もねえよ」
 肩をすくめてけれど振り払わない竜の鬣をすくと、ぶちりと切れた。
「痛!」
「ああ、やっぱり」
「…他に言うこたねえのかい?」
「白といえば独眼竜、骨です」
「ねえんだなよく分かった」
 白い指を立てて見せ、光秀は首を揺らす。
 いつもならその肩でゆらりと動く白い影は、今はない。
「先日あなたの庭の烏に会いましたもので」
 と、光秀に認識されているのは橙色の髪をした、武田の忍びである。
「ありゃおれのじゃねえよ」
「頭蓋骨を差し上げました」
「…Why?」
「そうですねえ。お茶が欲しいところです」
「沸かしてっからもうちょい待ちな。なんで頭蓋骨だ」
「あなたが近頃彼には狩刺有無が足りない骨を食わせねば、とおっしゃっていたので」
「魚の骨だ。…で、アイツはどうした?」
「何やら叫んで投げ返されました。そして逃げられました」
「追ったんだな」
「追いかけましたとも、けれども邪魔が」
 竜の声が震えているのに、ゆるりと光秀は首を回した。
 口元を押さえて笑っている。
――とても楽しそうだ。
 光秀は首をかしげた。
「そう、それが。赤い花の咲いていた森でした」
 匂うような赤だった。叫ぶ声も届かぬような山奥だった。――織田領の中の。
 あの闇まみれた忍びがあそこで何をしていたか、しかし光秀には興味がない。
 多分、あまり面白いことでもなかったのだろう。
「また随分romanticな…」
 竜は身を折って腹を抱えている。
「独眼竜、栗の季節にあなたにお会いしたかった」
「あんたmaroonは分かるんだな」
 ふっと顔を上げて竜が微笑む。
 陽だまりに似た笑顔を刻む肌は白いのに、光秀の髪とはまるで違う。
 光秀の髪は、骨のように白い。白日の下の恐怖のような、全てが褪せて抜け落ちた白さをしている。
 この青い着物の竜の肌は、踏み荒らされる前の雪の白さだ。何ものかに染まる前の白さだ。
 けれど彼は光秀の髪が好きだと言う。
 おそらく彼は、単純にその目に映る色の持つ深さを、好むのだろう。
「烏を」
 そして多分。
「餌付けしようと思って…焼き栗をやったらな」
 あの柿の実に似た色は。
「竹で作った櫛なんか、持ってきやがって」
 烏の毛色は、竜のお気に入りの一つなのだ。
「俺の髪はこんなだし――あんたの髪でも梳いてやろうかと思ったんだが」
「おや。では伸ばしてまいりましょうか」
「Really?」
「髪を伸ばすなど、容易いことです」
 そうしたら好きに梳いて下さって結構ですよ。
 言えば、竜はケラケラと笑った。
「じゃあ伸びたら来いよ?牡丹餅はその時な」
 今は忙しいんだ、と苦笑する青年に、光秀は首を横に倒す。
「…戦もないのに、あなた何故忙しいんです?」
 竜は金色の目をぱちくりと瞬いた。

「明智光秀。あんた年始の挨拶に来たんじゃないのかい?」

 よく見れば青年の青い着物は、正月の正装だった。

 


 三日後。
 先日政宗が書初めをしていた部屋には誰もおらず、代わりに文机の上にひっそりと、黒漆の花器が佇んでいた。
 濡れたような濃い緑に、白い白い花が乗って。
 光秀は首を傾げた。
 花とは違う白が、肩に零れた。
 光秀は手にしていた萌黄緑をその花器の水にぐいぐいと突っ込むと、勝手所に足を向ける。
――誰かの悲鳴が響いて、なずなの葉を揺らす。
「なんで明智がいるの!ちょ、聞いてない!!」
「光秀…なんでお前もうそんな髪伸びてるんだ?」
「冬毛ですよ独眼竜」
 七草を持ってきたので御粥をお願いします。
「――今日はよく花を貰う日だな」
「一緒にしないで竜の旦那…」
 竜に泣きつく烏の毛色。
 光秀はその紅溶かしたような橙色に、薄い唇を吊り上げた。
「あなたの頭を丸刈りにすると愉しそうですね」
「何だか知らないけどあんたのせいで今すぐ禿げそう」
 金色の一つ目に諌められる。
「――光秀」

(竜が愛でるは髪ノ色)

 うっそりと笑って首傾ける、袴の足元で白が揺らめいた。





   +++




 
 正月にも喪中にも相応しくない言葉が満載だったので、多少修正+題名無しになってます。junkに移動する時は原文のままにするかと…。

 サスダテに関しては、『花は紅 葉は緑』の三年後くらいにこうなってたら良いなーというつもりで書きました。まったく同じ設定ではなくてあれはあれでちゃんと書きたいのですが。
 だから最後の白いのは椿です。
 光秀は七草は分かるけど椿は分からないよ!みたいな。
 明智のみっちゃんは基本的に何も考えていないイメージです。

 短髪の光秀、駄目ですか。






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