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戦国BASARA・腐向け・サスダテ中心・本館(サササケ)を見ている方向け。
女体化とか幼児化とか遠慮なく出てきますのでご注意ください。


妄想が(M)延々と(E)洩れておりますな(M)お館さヴァア(O)!!!



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04.07.Tue  
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下の記事の追記にある小話の、補足…どちらかというと蛇足です。
幸村の発言にオチがつかなかったのが気になる方はどうぞ。

もうサスコジュについて考えてすらいません。佐助がおかしな事になりました。

 

 

 

 

 

「佐、助…?」
 ほろり、と唇から落ちた声に、背筋がざわりと粟だった。
 それは恐怖でもなく悔恨でもなく―――酷く暗い、悦び。
 ここに来るのは、真田の旦那のはずだった。
 俺が小十郎さんを足止めして、蒼紅の勝負が決せられるはずだった。
 なのに、足軽たちを斬り開いて既に血塗れた三日月兜の下、左目が見つめているのは、俺で。
 真田の旦那がここに辿り着くまで、あと半刻。
「久しぶりー」
 へらりと笑えば、政宗さんはその視線を俺の手元の血濡れた手裏剣に落として。
「お前…小十郎、は」
「斬ったよ」
 首は落としてないけど。急いで来たから。
 そう言って笑うと、政宗さんは左目を見開き、信じられないものを見るかのように僅かに眉をゆがめた。
 裏切り者を見る目。

―――ああ、そんな顔は、あの夜にだって見せなかったのに。

 ジリジリと背筋の神経が焦げていくような感覚。
 笑みで口元がゆがむのが分かる。けれど止められない。
 政宗さんの目が怒りにつり上がっていく。
「テメエ…よくも、」
 六本もの刀を爪のように構えて、その周りをバチバチと雷が奔る。

―――この音、だ。

 この雷が啼いて呼ぶから、俺は飛んできたんだよ。
 呼んでくれたよね?
 いえす、って。呼んだんだって、そう言ってくれたら、俺は。

 俺、は―――?

 俺のいた場所を竜の爪が引き裂いた。
 ゾクゾクする。
 笑い出しそうになる。
 腹の底から、笑って笑って、そうしたら俺の体は内側と外側が裏返っちゃうだろうな。
 裏返ったら?
 そうして出てくるのが、本当の俺なのかもしれない。

―――それでね、本当の俺っていうのは、きっと。

 手裏剣の刃が雷の光を掻き乱す。かすった竜の腕の、肉を僅かに引き裂く感触。
 楽しくて、どうしよう。
 違うよ、他の人間じゃ駄目で。この竜を壊す事だけが、嬉しくてたまらない。

―――忍じゃない俺。人間の俺?よく分からない。でも、きっと。

 竜の爪が俺の脇腹を削る。
 噴き出した赤に、一瞬、ほんの一瞬だけ、政宗の瞳が揺れる。
 表情には出ない動揺と悲しみと。それとも、俺と同じ感覚を覚えてくれた?

 平地で戦っていたはずなのに、いつの間にか森の中。
 もう真田の旦那は追いかけて来れない。この道の先にあるものを俺は知っている。
 誰も追いかけては来られない。
「……!」
 茂みが途切れて突然足元に表れた断崖。
 政宗は一瞬で踏みとどまるけれど、俺を見てハッと目を見開いた。
 手裏剣なんてもういらない。

 腕を下げて、彼の方に一歩踏み出す。

「…ねえ、竜の旦那」

「……」

「俺はね、きっと、」

「どうして」

「“俺”が欲しいのは」

「どうして、小十郎、を」

「…どうして?」

「……なんで」

「どうして他の人の話なんか、するの?」

「―――さ、」

 一歩一歩、近づいて、頭一つ低い顔を、上から覗き込む。
 三日月の宿る兜の紐がふつりと切れ―――谷底へ落ちていく。
 竜の鬣を風が煽る。

 その髪を掻き乱す風すら、愛しくて嫉ましい。

「アンタの全て。その目が見る全て。その唇が吸い込む大気の全て。その耳に響く世界の声の全て。体も魂も心も記憶も過去も未来も光も闇も―――全部奪いたいよ。殺して壊して喰らい尽くしたら足りるかな?」

 政宗さんは動けずに、俺を見ている。

―――なんてあどけない顔!

 ぐらりと揺れて、竜の身が虚空へ倒れる。
 俺もそれについて行く。
 微笑んだら、竜の旦那は何だか困ったような顔で、俺に向かって手を差し伸べた。

 さすけ

 唇が確かにそう動いて、けれど聞こえたのはバチリ、と啼くような雷鳴。
 嗚呼。

―――呼んでくれてた。

 喉の奥が甘やかに痺れて目が熱くなった。

 竜の腕が首に回ったから、その身をきつく抱きしめた。

 

 

 

 ねえ、俺は政宗さんが好きだったよ。小十郎さんも好きだったよ。真田の旦那が誰より大切で確かにかすがに恋していたのに。
 どうして“俺”はこの竜じゃなくちゃ駄目なんだろう。
 そのために竜の半身を屠って、その刃と刃を交える機会を自分のものにして。
 『全て』どころか、何一つ奪えるはず無かったのに。

 

 


 気がついたら谷底の川辺で、死体のように岩に引っかかっていた。
 俺はまだ死んでいなかった。
 腕の中には川水と同じほどに冷え切った政宗さんの体。
 唇に息を吹き込めば、微かに咳き込んでヒュウヒュウと肺を鳴らした。

―――どうしよう。

 この人は、生きているというのに。もう俺は俺の竜を手放すことなんかできない。何処にも帰してあげられない。

 ボロリ、とそこだけ熱い雫が目から落ちて。

 竜の旦那の唇ではじけた。

 

   *

 

『だって、放さないでくれなんて言えねえだろ?』

 唇に燗酒を落として、その夜竜は笑った。

 悲しい、寂しい、嫉ましい。

 怒りと空虚と欲と諦め、その全てを黒い瞳の闇に溶かして。

『放したくねえなんて、言えねえだろ…』

 愛しい、愛しい、愛しい。

 瞳が潤んで光をのせる。

 

 佐助はあの方の顔を見れたのだろうか?

―――見たならもう、帰っては来れまい。

 

 戦場では紅い炎だけが、己のままに揺らめいている。

 忍は帰れない。竜は戻れない。

 遠く遠く、青い雷が、啼いた。

 

 

 

小十郎は死んでいません。
続きは考えていませんが、政宗様はベタに記憶喪失になってりゃ良いと思います。
お付き合いくださってありがとうございました。






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